操体を学ぶとともに、何度か三浦寛先生に臨床を通していただいたている。
その中で、とても印象深い臨床があった。
からだの感覚をききわけていたら、からだが反応し、色々な感情が湧き出てきて,
からだで表現していた。
過去の悔しい思い、悲しい思い、怒りなどが感じられた。
そんな感情がからだの奥底に眠っていたとは知らなかった。
自分の感情を抑えて他人を優先させていた為、表に出せなかった感情が奥に埋められていたようだった。
自分では、抑え込んだことさえ忘れていても、からだは忘れていないようだった。
また、からだが守ってくれていた、いつもからだが寄り添ってくれていたのだ、と、そう思えた。
からだと過去の自分に、対して申し訳なく思い、同時に感謝の念が湧いてきて、涙していた。
施術者による他力的治療でもなく、カウンセラーが介入するカウンセリングでもなく、「私」と「からだ」を静かに対話させてくれる、奥ゆかしい臨床であった。