私が嫌いだった父の、幼少期の話。
父は終戦の年の生まれ、物資がない時代に育ち、父の家自体も貧しく、トタンの家で、雨漏りしていたり、隙間風が吹いており、冬は凍えていたそうだ。
そして、父の父親、つまり私の祖父は、酒飲みで暴力的、家族に手をあげる様な人だったそうだ。
家を出たくて、中学を卒業して、調理の仕事について、下宿生活をした。
しかし、職場では先輩にひどいイジメにあったいたそうである。
父の内向的で不器用な性格やその時の時代背景を考えると、そうだったのだろうと思う。
未だに親友と言える人はいないと、また後になって聞いた。
そんなことを聞いてから、父が悪いとは思えなくなってきた。
父も苦しみ悩んできたのだから。
環境は人に大きな影響を及ぼす。それと同時に、同じ環境でも人によっては異なる反応を示し、異なる人生を歩むこともある。
だから幼少期はともかく、そこから立ち直るのはその人自身の意思である、とも言えるだろう。
ただ、そこから立ち直る力があるのかないのか、その勇気があるのか、素直さやハングリー精神を持ち合わせているのか、サポートしてくれる人に恵まれるのかそうでないのか等、その界はなんなのであろうか。
運なのか、運命なのか、魂のレベルなのか、生まれ変わりの回数なのか、色々言えるのかもしれないが、今は私には本当のことはわからない。
ただ、正義を振りかざして父を裁くことには違和感がわく。
同じ様に、日常で出会う、私が不愉快に感じることのある人たちも、その場の行動、一側面だけみればただ不愉快な人と私には映るが、その人の生い立ち、環境を想像すると、その人を一方的に責める気は薄れる。
(・・・こともあるし、そうできない時も多々ある;)
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4月30日(月)昭和の日に開催致します。
テーマは「スポーツ障害と操体」です
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