東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「改めて見直してみる ~その6~」

恐らく私自身の一生涯のテーマになることだと思いますが、橋本敬三先生が言われている「治すことまで関与するな」という言葉について常に考えさせられます。

 

改めて見直してみると毎年この言葉の捉え方は少しずつ変化してきていますが、その変化の中で私自身の臨床のアプローチも少しずつ変化してきていることに気が付きました。

 

以前は臨床の中でからだを直に触れて診て結果的に訴える症状、疾患が改善すれば良いという捉え方で臨床に望んでいましたが、現在は患者が自己責任を全うしていく手助けを臨床の中でしています。

 

それには直接からだに触れること以外にも、言葉で指導や相談に乗ってみたり、時にはその人が生活に必要な環境作りの手助けをしてみたりもしています。

 

こういったことをするようになり、臨床には「からだに触れる臨床」と直接触れなくても「生きる手助けが出来る臨床」があるのだと感じています。

 

きっと橋本敬三先生が見据えていた操体の臨床の世界も患者自身が自分で自己責任を全うしていくために必要なものを気が付かせる手助けをすることを目的にしていたのだと最近は思っています。