東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体を初心者に説明する⑤ 「快適感覚と自力自療」

 操体の臨床における操者は、呼吸と意識のテクニックを学んで両手の波動を非常に高い周波数に高めている。 そして患者のある部位に触れると、まるで同調した回路のように患者のからだが操者の手に共鳴して同期化していくことになる。 これは快適感覚を誘導するために必要な前段階でもあり、触診といえども治癒的な生命エネルギーを操者から患者へと共振している。 

 

 そして、互いのエネルギーを高め合いながら交流し、伝達させる普遍的な特性を持つ波動なのである。 つまり、同じ波長と周波数を持つ振動波形が互いに影響を及ぼし合って起こる現象は、すべての生命体に表れることになる。 これは生命体の力学と肉体の波動エネルギーである快適感覚の理論を理解する現象として見逃せない触診手法である。

 

 また、操体の特徴を表わす言葉として 「自力自療」 というのがあるが、これも操体を誤解することにその対象となる言葉だ。 この言葉の意味は患者自身が治療者の立場であるということから生まれた言葉である。 そして、疾患をもっている患者こそが治療者であると先に述べたが、疾患とは既にからだが癒しのプロセスにあることを意味しており、操者の波動に患者の生命エネルギーがからだに合わせて同期化することから、自力で治療が可能となるものである。 

 

 そういった疾患を持ったからだは、必ず横紋筋系に収縮異常を見出せるものだ。 その収縮異常はボディの 「構造」 と 「動き」 に出ることとなるが、これが即ちボディの歪みであり、そのような筋収縮を解き放つプロセスの一つの方向が 「快感覚」 に向かうことである。 

 

 そして、その快適感覚に委ねることにより 「きもちよさ」 を味わうことができる。 この中では疾患エネルギーが非常に心地よく穏やかに解放されていくのを見ることができる。 それは肉体的緊張をからだの動きという形で 「表現」 することで、その表現は肉体の末端である顔や手足に生じ、収縮したエネルギーを消費するひとつの方法でもある。 これが操体における 「操法」 といわれるものだ。