東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

感情を飛ばす

 自分のお気に入りの公園にある一本の木に近づいてその木に静かに語りかけてみる。 そして、その木に触れてみる、さらにその木を抱擁してみる、それからその木のオーラーを感じてみる。 次にその木の傍らに静かに坐ってみる、「自分はいい人で、傷つける気持ちなどない」 ということをその木に感じさせてみる、このようにして感情を飛ばす。

 

 すると、まもなくその木との友情が湧きあがり、自分がその木のもとへ訪れると、木の質がたちまち変化する、それを感じはじめる。 自分が訪れると、その木の樹皮にははかり知れないエネルギーが動くのを感じるだろう。

 

 自分がその木に触れると、木は子どものように、最愛の人がやって来たときのように幸せになる、その木のそばに坐ると、このように多くのことを感じる。 そしてある時、自分が悲しんで木のもとにやって来ると、自分の悲しみが、まさにその木の存在によって消えてゆくのが感じられる。

 

 そのときはじめて、自分たちが依存しあっていることを理解できる。 自分は木を幸せにすることができる、そして、その生命の全体が相互に依存しているということを。 この相互依存こそ、「爽快感」 と呼べるもの。