東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

(七日目)不自然の自然

1週間にわたってアートと操体について書いて来ました。
 
今回改めて分かったことは「自然(神が造ったもの)はサイエンス」「アート(人間が造ったもの)」という明確な区別でした。
 
まあ「自然の芸術」と言ったりはしますが、その自然も、実は国立公園で人の手が入ってたりします。
人類未到の地以外は、アート(人間の手が加わっている)のかもしれません。
 
 
私が今回興味を持ったのは、橋本敬三先生が、アーティストでもあったということ。
アートの歴史をみると、人間は「自然の摂理(死)」と、「自然の摂理からの脱却」(不死・完全)の間で揺れていたようです。
 
さて、操体を理解する上で、大事な言葉があります。
それは「不自然の自然」。
 
おばあちゃんの曲がった腰を、操体で伸ばせないかというご相談を受けたことがあります。
おばあちゃんは、べつに悪いところもないのですが、娘さんが「腰が曲がっていて姿勢が悪く見えるから」というのです。
 
この場合(操体ではなく)他力矯正的に背骨をどうにかするとか、脊柱の手術をするということもあるでしょうが、おばあちゃんのからだのことを考えると、あまり現実的ではありません。
 
スポーツ選手なども、職業的なからだをしています。
 
専門的職業的なからだをしている人を、無理矢理枠にはめて矯正したりすると、結果が出せなくなったりします。
 
 
神が創造したもの(サイエンス)と、人間が造ったもの(アート)は、常にバランスを取っているのです。
 
「アート」っていうのは本当に大きなテーマだな、と感じた1週間でした。
 
ちなみに、操体はアートだと思っています。
 
1週間ありがとうございました。
 
明日からは、三浦寛先生の担当です。
 

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明日はハロウィン(万聖節)ですね。西洋版のお盆です。