東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

共に進化している生物③

見えないからこそ、見える部分にイメージすることは大切。
 
定年後、畑仕事を趣味にしている人と話をしていてこんな話を伺った。
 
「大根を収穫するときには、しっかりと腰をかがめて、引き抜く動作
 をするのにコツがあって、知らないで収穫するのは大変だよ」と。

どのように大変なのかと言えば、大根は葉っぱの向きを見て、頭の部
の向きがどちらに向いているのか。
 
このコツをしっかりと見極めることこそ大切で、大根の頭を引き抜く
ときに、その頭の方向に向けて引っこ抜くのがコツ。
 
そうすれば、スルリと根っこまで綺麗に気持ちよく引き抜けるようで、
それを知らずに、逆向きで頭の向きを少し考えず引き抜こうとすると
途中で大根は折れてしまうことが多いのだと言う。
 
頭の向きが、ほんの少しだけ傾くだけで下の方まできれいにつながる。
 
捻れがあるからこそ、軽く動きが伝わっただけで引き抜けるのに対し、
その流れや支点、ベクトルの方向を考えずに引き抜くと、途中で折
てしまったり、引き抜く本人には三倍くらいの力が必要なのだと言う。
 
このようなことを聞いたときに、操体を学んで来ているワタシ自身の
内臓の感覚として、もっと云えば、呼吸を通じた波動の共鳴を感じた。
 
もし、植物の意識感覚から言葉を発するのなら、頭と言う物の位置が
どのようになっているのか、原始感覚で受けとることは大切だろう。
 
熱エネルギーにしても運動として循環している。
 
この流れに逆らうことは不自然となり、この世界に循環している不変
のエネルギーを「愛」と想定するなら、これを「からだ」の原始感覚
で認識すること。
 
これは、橋本敬三師の語り「救い」が成立する真理の要素である。