東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

共に進化している生物④

昔、植物辞典で「ラフレシア」と言う名前の、東南アジアのスマトラ

島を原産地とする、世界一大きな花を咲かせる植物を見て、驚いたこ

とがあります。

このラフレシアをもとに、あの「仮面ライダー」の怪人も登場したの

で、余計にインパクトが強かったのかもしれないですね。

 

この「ラフレシア」、もう一つの大きな特徴は、その香りなんです。

そもそもお花の香りは、私たちにとって心地良く感じられるものです

けれど、ラフレシアの香りは、臭いようです。

 

その臭さは尋常ではなく、腐った肉の匂いとか、長時間はいた靴下の

匂いが混じるらしく、嗅いだ途端に「クサい!」と感じるようです。

 

では、なぜそのような臭さなのか。

多くの植物は。蜂やチョウチョを呼び寄せるために、甘い香りや美し

き色を持っていますね。

 

一般的に、「色気で惑わす」と書くと、良い印象を持ちませんけれど

花は基本的に色気で虫を呼び寄せて、生存競争を繰り広げているので、

ラフレシアは、あえて過酷な競争に参加しないことにしたのです。

 

蜂やチョウチョではなく、ハエを誘うための香に変えたんですよね。


人間社会でも、いわゆる変わった人とは、少し色眼鏡で見られるよう

なところがあり、少しとっつきにくいところはあるかもしれませんが、

のことで、目指しているものを争うことなく手に入れられる。

 

いわゆる過当競争に関わらないようにすることも、必要なのであれば

世の中の競争原理に、同調圧力を飄々と抜け、型が同じであること等、

何もなく、イノチの要求感覚に順応すればいいのです。

 

ラフレシアだけではありません。

植物はみな全て「足るを知る」という生命の営みを実践しています。

 

そこには、人間の欲望渦巻く環境に順応して競走し、みんなと同じよ

うに目立たず、変わっていないことを選択する理由を、「からだ」は、

原始感覚は要求しているか、本当にそうか、と想念に問いかけます。