東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

共に進化している生物⑦

宇宙と呼ばれる銀河系太陽系のなか、地球は存在しています。

 

海と大地と空、その循環に様々なイノチの源である水が満ち、

大気中にある酸素を取り込んで、植物も動物も繁栄してきて、

いつも、いつまでも、重力のもと生物として生存しています。

 

この世界で生き残るため、最も必要な条件とは何でしょうか。

 

人間は動物です。

しかし、植物的な要素は多分に混在し、動的平衡を保ちます。

ホメオスタシス、サーカディアンリズム、バイオリズムの源、

 

例えば、手術で取り去っても代用するべく変化する組織こそ、

「環境」をサーチする「外臓」と呼ばれる皮膚(ファッシア)。

 

そして動きが見えなくても、見えないなかで活動を止めない

「内臓」消化器系、循環器系、泌尿生殖器系、脳脊髄神経系。

 

私たちは、もっと目に見えない「からだの動き」に興味深く

そのうごきに、流れに耳を傾け、響くものに共鳴してみると

人間のなか、混然一体となっている「植物」のメッセージを

受けとることができるのです。

 

ある生物進化に興味ある人間は、このように語りました。

 

「この世に生き残るのは、最も力の強いものでも、

 頭のいいものでもない」

「それは、”変化”に対応できる”いきもの”なのだ」と。

 

そういえば、橋本敬三師は、露草(ツユクサ)を大変好んで

いたそうです。

この雑草扱いされている「ツユクサ」は、六月~十月に朝露

に濡れつつ、チョウチョのような真青な花を一日咲かせます。

 

この花のメシベは、オシベの上方に立ち上がり、他の花粉を

受けとれるように待ち望むのですが、夕暮れまでに受粉出来

そうにない頃には首を垂れ、自らのオシベを受け入れます。

 

この事実は、高望みをしてダメなら保険をかけて受粉するの

だな、と考えてしまいそうですけれど、それは早計です。

 

そうでなく「植物」は賢く、用心深いのです。

循環には新たな変化が必要、それには受け継ぐものも必要。

 

だからこそ、生命の流れを慎重に受け継ぎ、丁寧に生き抜く

ことで、四~五億年も繋いでいる、そのように感じるのです。

 

身近な植物の本質は「変化」に柔軟なこと。

 

 

操体の学問も、受け継ぐ意志と、柔軟な変化を取り込むこと

で「共生」して「進化」していく大切さを「愛」とする。

このように捉えつつ、学び続けていきたいと想っております。

 

それでは皆様、一週間のお付き合いに感謝いたします。

 

明日からは、Mr植物。滝澤副実行委員長にバトンを委ねます

ので、お愉しみに!