東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

からだがききわけていることば7

ことばは「言葉」。

用いられている漢字が言の「葉」となっている。

本来の語源や意味からは離れていくかもしれないが、

ことばにまつわることは「植物的」な営みなのかもしれないなと思う。

 

普段頭のなかには様々な思考意識があふれている。

それは言葉になっているものもあれば、言葉になる以前のもやもやした状態のものも含んで実に目まぐるしく動いている。

 

植物的にイメージするなら、ふとしたきっかけで、頭のなかに言葉の「種」がポロポロとこぼれ、ところどころ言葉の「芽」が伸び始めているような状況が浮かぶ。

そのままその芽を放置していると、頭のなかが言葉のジャングルになっていく。

 

頭のなかにある思考意識を発声・発音すれば、自身の周囲にひとつの現象を生みだす。

頭のなかの言葉の状況が自身の周囲にも投影され始める。

 

操体の創始者である橋本敬三先生も「言葉(ことば)」の統制について言及されされているが、これは言葉(ことば)のもっている可能性について深く思うところがあったからではないかと感じる。

 

言葉を統制するというのは、頭のなかに生い茂る言葉を手入れしたり、口にする言葉を選んだりして、言葉を使うことについて気を向けることではないかと思う。

 

そのひとの中に宿っていることばが変化し、ことばが描く景色が変わっていく。

からだはそういった変化を空間を介してききわけているのではないだろうか。

 

一週間ありがとうございました。明日から友松実行委員が登場です。

どんなテーマに引き継がれるか、おたのしみに。