東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

共に進化している生物⑥

トマトが小さい頃は嫌いで、今では大好物の野菜になりました。

 

のトマト、南アメリカのアンデス山脈の高地が原産地なのだそうで、

現在は日本やヨーロッパでトマトを多くの人々が愛しています。

ですから「赤くなればお医者さんが青くなる」とは、日本であれば柿

なんですけれど、ヨーロッパではトマトなのだそうです。


ところでこのトマト、潜在的な能力として「水耕栽培」の温室で発揮

されると私たちの知っているトマトではなくなるのですね。

 

北海道恵庭市のえこりん村では、ギネス記録のトマトの木があります。

驚くほど成長している「トマトの木」では、トマトの1株は樹木であり、

花を咲かせ実をつけると、1株でなんと12,000個もの果実を実らせます。


このようなトマトは、特別な品種でもなく、特別な栄養が与えられる

わけでもなく、与えられた「環境」で変化しているのです。

適切な光や温度が与えられ、十分成長できる能力は潜在的にあると

たら、プランターで育てたこともある家庭菜園のトマトは、本当の能

力を生かしきっていないのでしょう。


環境が整えば秘められし能力を発揮する。

これは「植物」の特徴なのだと知ると「操体」は余計に面白いのです。

 

それでは、逆に大きくなれないのは植物たちがストレスを受けている

からではないでしょうか。

モノを言わず植物は、何事もなく過ごしている日々の中で、実は多く

のストレスを感じているんではないでしょうか。

 

しかしその植物たちは、文句を言うことなく、どんな条件でも与えら

れた「環境」で工夫を凝らし、生きているのです。

これはまさに、「植物」は私たちにそれが生きていくことなのだよ、

と教えてくれるようです。

 

よく病気の原因として「ストレスが原因ですね」とは医師が伝えるこ

とも多くなり、当然のようにストレスは病気の原因になっています。

 

かし、人間の中にも動物的な要素と植物的な要素はあるのです。

 

それは、横紋筋系骨格系と、皮膚体壁内臓系として混然一体となり、

植物的な要素は「環境」にそんなに多くのことを求めなくてもいい、

ただ生きていけるだけで多くを望まなくてもいいと、私たちに感覚

を通すことで味わいなさいと、そう伝えているような気がします。

 

ほんの少しの不便を我慢すれば、自分の欲望を少し抑えれば、多

の不満や不平が少なくなり、自分の力の限りを尽くして生きていく。

 

基準となる軸をどこに立てているのか。

それにより、植物的な幸せは満たされてくるように感じるのです。

 

「操体」も、植物の本質を習う学問として、今改めて必要なのです。