毎日、朝起きてから一日中に行う「環境」と「からだ」の循環。
外から息を吸って頂いたものを、中で代謝したものを元にかえす。
考えてみると、「息」「食」「動」「想」は、すべて「環境」ありきなのです。
しかも一日に、約二万回も呼吸をしているんですからね。
(つづき)
月齢14週。
唇の内側に刺激を与えると舌のうごきは現れるようになります。
唇の内側と外側の境界線は、女性が口紅をつけるとき、どこまで塗るか考える
とわかりやすいでしょう。
飲み物を口の中にいれるとき、コップが触れる部分もこの境界線です。
この境界線の部分感覚は鋭く、外界からの刺激にまず反応する部位なのです。
「環境」って言葉は、境目と書くでしょう、境界線は大事な部位。
つまり、「うごきを導く」わけで、「感覚」は「運動」を導いているのです。
これは唇や舌の話ではありません。
全てにおいての基本であり、正坐をした後うまく立てないことがありますが、
それは、足そのものに異常があるわけではありませんよね。
足がしびれて感覚がなくなったために、立つと言う足の機能に支障をきたして
立ち上がる動作は出来ないわけです。
つまり、感覚が運動をコントロールしているのは、本来の形なのです。
このことは全ての基本であるため、日常における様々な随意運動に対しての、
逆関係も考えられ、バーチャルな業界(VR)は熱心に研究されていますね。
さて「胎内環境」は生誕後に思いっきり、胎外「環境」に移り変わります。
ちなみにお腹が空いたとき、「猿」はおっぱいを一気に飲みきるそうです。
ところが生物学実験で「ヒト」の赤ちゃんは、一定のリズムで少し飲むと少し休む。
これは「想」の入出力を、胎外「環境」で行っているというわけです。
つまり、休むと赤ちゃんを「どうしたの」と言って赤ちゃんを揺すったり、
顔を覗きこんだりします。
するとまた飲み出すわけですが、面白いことに、すでに人間の赤ちゃんは、
コミニケーション欲しさに哺乳を辞める、という真実がわかっています。
つまり、「食」が1番大切な行動であるにもかかわらず、ヒトの赤ちゃんは「食」を
休んでまで、コミニケーションを欲しがるのです。
この「想」に「感覚」のつながりや、人間が人間であるための基礎をつくると言う、
最もヒトが「環境」に適応するための「原始感覚の快」は関係してくるのですね。
さらに、人間は成長していきます。
この時期に、未来を感じる人間の、人間である理由は生じてくるようです。
自分でやりたいことを見つけ、生きる意味を紐解き、つながる力にもなる。
「足るを知る」
うまく成長させる要求を引き出すには、『何か足りない』ことも大切ですね。
もう少し欲しい、もう足りていることを、しっかりと感じて覚えてもらう時期。
例えば、少なめに与えたり、変わったものを与えたりして、子供がそれを欲して
いるか欲しないか、生物的にはっきりと理解することは、何に繋がるんでしょう。
この時期に特徴的なのは、「つかまり立ち」ができるようになることですです。
この立ち上がると言う事は重力に逆らうという「感覚」を育むのです。
人間は「重力」に逆らって生活できる動物そのものです。
この重力に逆らって、調和する軸、生きる基礎の軸を作るのもこの時期なのです。
まさに、「動」と「感覚」のバランス作りの大事な「環境」になります。
そのあと、十ヶ月になるとあまりしゃべらない時期もあります。
この時期は、「感覚」と「運動」のメカニズムを統合させるスタートなのだそうです。
様々な感覚を人間の「大脳皮質」に送ることで、人間形成の基礎をつくる時期ですね。
さて最終日は、随分と長くなって失礼しました。
皆様にはお忙しい中、一週間のお付き合い頂きまして感謝です。
明日からは、いよいよ瀧澤副実行委員長の「環境」ですね、お愉しみに!