今までの臨床の中で患者のからだを健康、不健康という見方でからだと向き合ったことがありませんが、あえてその2つをわけてみるならば何が基準になるのでしょうか?
もし健康診断等で定められている基準となる数値が全ての項目で基準値以下の人がいたとします。
その人が次の健康診断までにすべてを合格点までに持っていくことが出来、医師に満点をもらうことが出来たとする。果たしてそれが健康なのかと疑問です。
操体の臨床の中でも思うことなのですが、痛みや苦痛から逃れるための劇的に治るということは果たして良いことなのかと考える時があります。
その理由も「治る」という一つの結果に対し、それを維持、そして増進していくために何が必要なのかを考える機会を失ってしまうからです。
そういった点においてはある程度の月日をかけて治るプロセスと向き合ってきた人の方がからだからみれば本当の意味での健康といえる。
先程例に挙げたこともそうですが、結果に捉われてしまってはそれを引き起こす原因となるものの改善にはならない。
からだとそれを使わせて頂いている自分との間には何らかの隔たりが生じてしまっている。
そういったことに気付けることが本当の意味での「健康」のように思っています。