東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「ヒビキと空間」

臨床の現場に身を置いた時に大切にしていることがあります。

 

「患者ではなく、からだを診ること」

 

これは操体の学びを得て、10年間常に自分に問いかけてきた言葉です。

 

この意識は常に持って臨床に望んでいますが、気が付くとからだと向き合っている中で「痛い所を探してみよう」「患者に痛みを知らしめよう」という自分もどこかにいます。

 

そういった自分が存在するのも、臨床の本質的なものをまだまだ理解していないからです。

 

その本質は対比した物の捉え方では見えてこない。絶対的な物の見方、捉え方の中にある。

 

こういう自分がいるのも、物事の捉え方が相対的であり、絶対的な物の見方が出来ていないのだと感じています。

 

患者とからだ、この2つの現象だけに囚われていては、いつまでも何かに振り回される。

 

だったら、この2つだけでなく、それを取り巻いている空間を診断の基準にしてからだと向き合えばよい。

 

それがまだ見えてこないならば「ヒビキ」というのを一つの基準にし、からだと向き合っていくと、空間というものが何なのかが感覚的に掴めてくる。

 

こういう発想も出来るので、操体は面白い。