おはようございます。
もう10年ほど経つだろうか。
「操体法って痛いんですよね」とか
「操体法で痛くされた」といった電話による問い合わせが、頻発していた時期があった。
すべて遠方の方からの電話で、実際に来院されたことはなかったが、考えさせられる面があった。
操体法の実施施設のほとんどは、創始者の橋本敬三先生が初期の頃に行っていたツライ方から楽な方に動かして、2~3秒間動きをたわめて、瞬間急速脱力するという第一分析を行っているであろう。
この行程のなかで、特に瞬間急速脱力は、被験者のからだの状態や体勢によっては、危険が伴うと思う。
それを、操体法とは、こうやるものだという考え方で強行していると、痛くされたというふうになってしまうのかもしれない。
また、操者(施術者)が操体法を単なる歪みを正すテクニックと考え、瞬間急速脱力の時に変に角度をつけて押し込んだりしてしまうのも良くない。
晩年の橋本先生がみせてくれた操体法は、それまでの2~3秒間動きをたわめるとか瞬間急速脱力といった決めつけなどなく、あくまでからだ本位、からだの要求に従ったたわめの間、脱力の仕方だったという。
勿論、その後三浦寛先生によって体系づけられた「気持ちよさをからだにききわける」第2分析では、第一分析でみられた操者の決めつけというのは一切排除されている。
そして、痛みや不快を伴う様な動きは勿論なく、からだの求めるオクタント(極限安定率)を満たす動きから、からだに気持ちよさ(快適感覚)の質をききわけ、気持ちよさを味わう事を重視している。
あくまで、からだ本位。これが第2分析だけでなく、後の診断分析法へのシフトアップにつながっていく。