かしその後、三浦先生と出会い、自分がやっていたのは「快方向に」と言いつつ、楽な方に動かしていたことがわかった。
勿論、圧痛点に触れ、そこが最大に緩むところに関節を持っていき、かるくたわめて脱力させる方法は、絶大なる結果を出していた。
私は、三浦先生の実技(その頃、すでに渦状波が誕生していた)を見て「楽」をとおす場合と、「快」をとおす場合の動診の違いを見てしまったのだ。
また、現在私は「足趾の操法」を教えているが、その中に「趾廻し」(ゆびまわし)というものがある。
他の「ゆらし」「落とし」「揉み」は、橋本敬三由来のものだが、「廻し」は、私が習ったものを研究に研究を重ねたものだ。
最初私が習った時は、足の指を外回しと内廻しに回してみて「どちらがきもちいいですか」と聞いて、快方向に回す、と習った。
その後、私は三浦先生に足指廻しを行うチャンスがあったのだが(弟子入り前)、その時、今考えると非常に恥ずかしいのだが、よよりによって三浦先生に
「内側に回すのと、外側に回すのは、どちらがきもちいいですか?」と聞いてしまったのである。
無知って本当に怖い。
三浦先生は、さすがに当時は自分の受講生じゃなかったので、アホなやつだなと思ったと思うが
「どっちもきもちいい」と答えた。
その時、私の中で「なるほど」と、電気がついた。
それまでにも、クライアントに「どちらがきもちいい?」と聞いて
「う~ん、わかりません」と言われることが多かったのだが、これでその理由が分かったのだ。
そして、三浦先生が、出版されたばかりの「快からのメッセージ」に書いていた「楽と快の違い」というのが直感的にわかった。
私のレーベンス・テーマは「楽と快の違い」になったのである。