おはようございます。
操体には、4つのバルの戒めというのがある。
「頑張るな」「欲張るな」「威張るな」「縛るな」の4つ。
漢字で書くと分かりずらいが、声に出してみれば皆「バル」がついている。
この中の「縛るな」。
「縛る」というのは、自由にとって大敵と思える。
わかりやすい例として、昔の奴隷制度のような縛りは、本当に自由を奪っていると思う。
そして、そういうのは良くない事だと、誰でも思う筈。
しかし、自分でも知らないうちに、相手を縛ってしまっているという事もあるのではないかと思う。
特に、愛情が強い程、良くなってもらいたいという想いが強い程、過干渉になり、それが縛りにつながり、相手を委縮させてしまったり、気持ちよく生きられない様にしてしまっているケースもあると思う。
私の子供時代には、「教育ママゴン」という、子供からしたら怪獣のような母親が、結構多く居た。
この時代は、いい高校、いい大学に進学して、いい会社に就職すれば、幸福な人生が送れるといった考え方が多かった。
それだからか、自分の子供に少しでも幸せになってもらいたくて、「勉強しなさい!!」と、口を開けば捲し立てていたのかもしれない。
当時は、いわゆる詰め込み教育と呼ばれるものが全盛であり、遊ぶ暇があったら少しでも頭に知識を詰め込めばいい、という考え方もあった。
私も、友達と遊んでいて、その友達の母親が「あんな子と遊んでないで、勉強しなさい!!」と強い口調で言っている場面に遭遇した事があった。
悪気があって「あんな子」とか言ったわけではないと思うが、「すっげえ母ちゃんだな」とビックリしたのと、友達が申し訳なさそうな顔をしていたのが思い返さる。
近しい間柄ほど、相手にとって良かれと思ったことを、無理に押し付けてしまう事はあると思う。
しかし、相手を縛って、自分に隷属させるようにしての押し付けは、後々なにか問題を孕んでくる。
親しき中にも礼儀ありというが、個の尊重もあった上での間柄、間のとり方というのは大事だと思う。