操体と出会い、様々の変化をもたらしましたが、二日目の今日はアプローチ(治療方法)の変化を紹介したいと思います。よろしくお願いします。
操体に出会う前は理学療法士として、リハビリテーション科に来院される方は、医師の診断によって、必ず診断名が付きます。そして診断名がついた患部に対して、評価が行われ、疾患の原因となっている問題を抽出し、原因を解決させるために、患部に対してアプローチするプログラムを作成するという流れですすみます。アプローチでは方法や回数などを第三者である我々医療従事者が決定し行うというように、クライアントのからだは完全な受身となることが多いと思います。クライアントのからだは人それぞれだから、その人にあったプログラムが必要と言われていますが、からだの無意識による反応は、治ろうという方向を向いているのでしょうか。
操体法では、患部の症状疾患にとらわれません。症状疾患にとらわれないということは、痛い部位に触らなくとも臨床が成り立つということです。しかも、からだ(クライアント自身のからだ)の感覚(快適感覚)をききわけて選択していくわけですから、治療者側の決め付けでなく、気持ちよさの有無、味わいたいという要求の有無、脱力方法や回数までもからだにききわけ、要求に委ねるというように、純粋にクライアントのからだのためのアプローチといえます。からだが選択した快適感覚であれば、十分に快適感覚をあじわうことで、治すことはからだに任せておけばよいのです。脳内を介してホルモン分泌などによって、現在のからだに必要な状態にからだが向くはずです。
実際に以前おこなっていたストレッチで、規定の回数・強さ・時間と、からだにききわけながらの方法で比較すると、筋肉の柔軟性・圧痛・効果の持続時間すべてにおいて、からだにききわけておこなった群が優位に改善していました。規定の回数・強さ・時間では、からだにとって不快と感じている場合があり、不快とからだが感じた瞬間に反射的に戻るチカラが働き(防御反応)、結果として筋肉の柔軟性・圧痛・効果の持続時間において改善が低かったのではないでしょうか。実際にクライアントの中には、痛みがあるくらい伸びるのがストレッチだと意識・認識していた方もいるように、意識の満足度とからだの満足度は必ずしも一致することはないと言えるはずです。
操体を学び、からだにききわけるという大切さを知り、からだにききわけることで、はじめてクライアントのからだと向かい合っていると言えるのではないでしょうか。
私にとって操体は、アプローチ(治療方法)に変化をもたらしました。
今日はこのあたりで・・・。ありがとうございました。