東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

脳波

昨日は子供の患者に対して、操体法により快適感覚を味わっているときに、それを見ていた親御さんのからだも変化したことをミラーニューロンから書きました。三日目の今日は、脳波から考えてみたいと思います。お付き合いよろしくお願いします。
まず脳波とは、脳波は、神経細胞(人間の脳には約140億個存在)からなる大脳皮質の表面近くに位置する多数の樹状突起に生じたシナプス電位・後電位などの総和の電位変動を頭皮上から誘導し増幅したものだそうです。簡単にいうと、脳内で活動している電気信号が、脳が現在どれだけ覚醒状態にある、リラックス状態にある、などを「Hz」という周波数単位で表すことのできるものです。これは目にはいってくる光の量や精神状態、聞いている音や音楽によって変化してくるそうです。 また各周波数の範囲ごとに名前がつけられており「γ」「β」「α」「θ」「δ」波の5種類に分類されています。
δ波は、周波数0.5〜3Hzで、脳波のなかでもっとも微弱な周波数と言われており、睡眠中の脳波といわれます。
θ波は、周波数4〜7Hzで、このθ波が出ている時は、閃きや記憶力がアップするといわれているそうです。よく眠りにつくため布団に入った後などにいいアイデアが思いついたり、また夢のなかでは普段の自分よりも創造力が豊かだったりする事もありますが、この時の脳波がθ波だそうです。
β波は、周波数14〜30Hzで、通常の覚醒状態の脳とされ、眠気を感じず何かに集中して取り組むときにむいている脳波と言えるようです。 それも創造的な作業よりは単純作業や慣れた仕事をこなすのに向いているようですが、ただしβ波はイライラしている時にも確認できるようです。
γ波は、周波数30〜70 Hzで、脳は活発に活動していて、精神状態としてはすごく集中している状態、または恐怖を感じているときとされ、通常の覚醒状態はβ波なので、γ波はやや興奮しすぎと考えられ、長く続くのはよくないようです。
α波は、周波数8〜13Hzで、覚醒状態ではあるがリラックス、もしくはウトウトし始めたくらいの状態とされ、完全に眠りにつくとα波は確認できなくなります。また、α波は光に同調しやすい性質を持っているとのことです。 このα波が出ている時は非常に落ち着いていて体と脳が休んでいて、自律神経は副交感神経優位になっている状態にあるようです。
操体法で、からだに快適感覚をききわけ、快適感覚を十分に味わっている時に、脳波は覚醒状態なのに、ウトウトしている患者の姿をよく見ますが、この時の脳波は完全にα波にあることが言えると思います。
その他に脳波の研究では、意識状態及び認識能力と脳波が関連していることが判明されており、脳は人工的な周波数や相手の脳波に同調させることができ、意識の状態を変えることができるとされています。この現象を脳波同調現象(引込現象)と言われ、特にα波において脳波同調現象が引き起こされやすいようです。
これらの脳波の説明によって、子供の患者が快適感覚を味わっている姿を見ていた親御さんのからだも反応したことについても説明ができます。快適感覚を味わっている時の脳波がα波を示し、同じ空間にいた親御さんの脳波が同調現象によってα波になりからだが反応したことが示唆されます。質の高い快適感覚を味わっていたからこそ起きた現象だと思います。
今日はこのあたりで・・・。ありがとうございました。

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