東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

Skynet

そして四日目のキーワードは『Skynet(スカイネット)』です。
お、新しいSNSか!と思った方はチョイと早とちり、Skype
の次世代機か!と思った方も更に早とちり、ソラシド エアか?
と言われた方も間違いでは無いけど、今回のテーマからは外れております。
もったい付けても何なので、その正体は映画好きな人には『ほうほう♪』
と微笑んで戴けるキーワードかと思います。

シリーズ1は低予算で製作(約680万ドル)され、全世界興行収入は
7,837万ドル(約82億円)とジェームスキャメロン監督の出世作と
なった作品でしょうかねぇ。
そうなんです、このスカイネットとは映画ターミネーター
に出て来た、『自我』を持った軍用コンピューターネットワークの
基幹コンピュータとして描かれていたものの名称です。

SF好きの私としては若かりし頃、未だお腹の出ていなかったシュワ
ちゃんが、ガンガン向かってくる姿に、恐怖感を覚えたものです。
ま、映画の中の話しなので、現実的にはあり得んなぁなどと思って
いたものです。

ですが、現実的に今、このスカイネットになろうとしているアメリカ
企業があるのです。ご存じの方も多々いらっしゃるでしょうが、
それがあの皆さんお馴染みのGoogleです。
Androidだからアンドロイド作っているなんて洒落を言うつもりはありません。

今回、このブログネタ元は私の気学の先生、『山口知宏』先生の世界情勢のトピックス
から参考にさせて戴き、私も内容確認しながら書いております。

話しを元に戻しますが、良くも悪くもアメリカの巨大企業の殆どが、軍事系企業です。
ボーイングGMクライスラーなど、製造業の殆どが軍産複合体となっています。
そんな中で、検索エンジン開発やオンライン広告によって成長して来た、
Googleは今やその、有り余る資金力をバックに、本業とは関係の無い
ジャンルの研究に多額の資金を投入しています。
Google内部では革新的研究開発のことを、ケネディ元大統領の演説の一節、
月着陸ロケット打ち上げの意味を使い『Moonshot』と表現しています。

その第一弾が夢の『自動走行車(Self-Driving Car)』です。
Googleは2009年から開発をスタートし、現在まで約70万Kmに渉る
公道での試験走行を終えたとのことです。ここでソフトメーカー
Googleらしいのが、自社で車を作るのでは無く、あくまでも
ソフトに価値観を見出しているところです。

車はトヨタプリウスをベースに、車両上部、前後部にLIDAR
(レーダー)を取り付け、物体との距離や速度を測定し、
フロントガラスにはビデオカメラを設置し、前方の障害物との
距離を測ります。
後は屋根に備え付けのGPSにより、位置を把握し正確な情報を出すようです。

この膨大なデータを、Google得意のマップに重ね、どのレーンを走行し、
横断歩道や交差点まで把握するのです。
今ではかなりのスピードでコーナーを突っ込んでも、レーサー並みの
コーナーリングが可能なまでに、データ量は蓄積されているようです。

一方で本業の自動車メーカーはGoogleが目指す自動運転では無く、
あくまでも運転補助のレベルでの開発を進めているようです。
しかし、Googleが目指しているのは100%のオートドライブである、
Level4と言われる段階だそうです。Googleは四年後を目処に製品化
すると言っています。


↑因みにこのドライバーさん全盲の方です。

ジョブスが健在だった頃のアップルは、その革新的技術を世の中に
提供していましたが、全世界のスマホのOSは82%をAndroidに握られ、
今では完全にGoogle一人勝ち状態になりつつあります。
その要因はアップルの抱え込み戦略に対して、全てオープンにして
抱え込まずソフトを自由に使用させたGoogleのグローバル戦略の勝利と言えます。

自社で自動運転車を開発出来ない車メーカーが、GoogleAndroid
ソフトを車のコンピュータデータにダウンロードするだけで、
自動運転車になるのです。
これからの時代はハードよりソフトなのです。
早い話が、車はどんなメーカーでも良いのです。ソフトがAndroid
であれば、車は自動運転で走るという事ですから。

その証拠につい先日、Googleと自動車メーカーら6社が1月6日、自動車への
Androidプラットフォーム搭載促進を目指すアライアンス
「Open Automotive Alliance(OAA)」の立ち上げを発表しました。
参加するのはGoogleAudi、General Motors(GM)、ホンダ、Hundai(現代自動車
の自動車メーカー4社と、半導体メーカーのNVIDIAです。
これを機に、Android搭載スマホと、車空間の様々な共有はこれで更に進んでいくことでしょう。

そして、更にGoogleスカイネットっぽくなったと感じるのが、多分、
テレビニュースで先日やっていたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、
昨年、12月末にアメリカで行われた、米国防総省高等研究計画局(DARPA
主催の災害対応ロボットの競技会で、東大OBのヴェンチャー企業「SCHAFT」
のチームが1位になりました。

このニュースを見たとき、おお!未だ未だ日本の技術
も捨てたモンじゃ無いぞ!
などと喜んでいたのですが、この東大OBのベンチャー
企業は既にGoogleに買収されました・・・
Googleは既に述べた東大OBベンチャーSCHAFTを含めた、
ロボット企業七社を昨年末に買収したようです。

次世代産業の金の卵とでも言うべきロボット産業の技術者を日本の政府
を含め経産省は手を差し伸べることもなく、他国に譲り渡してしまっているのです。
この辺りが、今週、別のキーワードでも出て来る、日本人の戦略の弱さです。

更に、映像に出て来る走行ロボットを作っているのが、
『Boston Dynamics(ボストン・ダイナミックス)』社です。
ここは軍用ロボットなどを開発している会社でもあり、動画にも兵士が一緒に映っていますが、
実際に戦地での使用を考え開発しているのです。
無人偵察機が問題になっている昨今、四足歩行、二足歩行も含めたロボットが最前線で戦う
日が確実にやって来ているのです。

因みにこのボストン・ダイナミック社も既にGoogleが買収しております・・・
一般商用から軍事分野まで、確実にGoogleアメリカ合衆国の生命線を握る企業へと変貌しています。

Amazonのドローンを始め、確実にロボット化の波が押し寄せてきているのです。
これって普通に考えれば、便利になって良いよねぇ〜などと呑気に言えない事実なのです。

何故ならば、これらロボットが行うのは全て今、人間が行っている作業だからなのです。
工場で働いている労働者の方達も昔なら溶接しか出来ないロボットだったのが、
現実に今ではマルチタスク化に成功し、複数の作業が出来るようにまでなって来ました。
産業用ロボットはもっと早いスピードで導入されると言われています。


↑この滑らかな二足歩行、まるで人が入っているようです

↑片足での安定感も半端ではないです

日本も高齢化が進み、確実に労働人口が減っていく中で、コンビニの定員もロボット、
身体を壊し易い介護のヘルパーもロボット、長距離運転の運転手もAndroidの自動走行
ソフトがあれば必要なくなるのです。

経営者から言えば、文句も言わず時給を上げる必要の無いロボットが一番有り難いのです。
一昔前であれば夢物語であった様な話しが、今、現実になりつつあるのです。
ロボットに仕事を奪われた人間労働者達の行く末を考えると、何だか憂鬱な気分になりますが、
これからの産業最先端のデジタル技術か、最先端のアナログ技術のどちらかで無いと、
勝負出来ない時代になって来たのだと痛感します。

デジタル化が進めば進むほど、人はストレスを強く感じ、身も心も
病んで行きます。
私たち臨生家はこれから来る超デジタル化社会の中で、最もアナログ
な職種だと感じます。
データ化出来ない、人でしか出来ないものにこそ、Googleに勝てる
ヒントがあるのかもしれません。