少し前の話になりますが、駒場公園内にある、日本文学館に行って来ました。
偶然にも今、月に何度かお隣の東大駒場生産技術研究所にお手伝いに行っています。
元々の上司が東大の特任教授をやっていて、ちょっと頼まれているのです。
というわけでお昼休みに行って来たのです。
さて、日本文学館に行った目的は「あだむ」を探すこと。
三浦先生が30年程前、大正10年から13年の自分の執筆原稿がどうしても見たいと
橋本先生に頼まれ、東京中の図書館を探し回り、やっと見つけたコピーは持っています。
色々な経緯があるのですが、
この、若き日の橋本先生の原稿は、操体の「想」の部分を理解するに欠かせない
と思います。
そして、私が以前から気になっていたのは(詳細参照)
ある一編が
實に困ってゐる
というの言葉で終わっていたこと。私はもしかしたら、これには続きがあるのでは、
と、思っていました。というか「。」がないから。
これを、実際に調べてみようというのが目的でもありました。
で、結局「實に困ってゐる」で終わりになっていました。誌面の関係で文字をいじったのかもしれません。
これで少しすっきりしました。
三浦先生からは、橋本先生からは高見順のコレクションにあったと聞いていましたが
実際は「あだむ」を一緒にやっていた、式場隆三郎コレクションにありました。
薄いパラフィン紙に包まれた小冊子が書架の中から出て来た時は、
私も少し興奮しました。ページをめくって「橋本敬三」という名前を見た時は、
「おお」という感じ。
「小さき心」という短編は、橋本先生が「生まれて初めて原稿を書いた」となっています
「この短編を垣沼兄へ」と書いてあるが、私は最初「垣沼とは?」と思いました。
調べてみたところ、垣沼、というのは式場氏の旧姓ということがわかりました。
一生に一度は生で見ても良いのではないでしょうか(マニア?なら)
また、駒場にいらっしゃるのだったら、是非月曜を避けて、
日本民芸館とか駒場公園を散策していただきたいものです。
あ、この日本民芸館は、旧柳宗悦邸ですが、
橋本先生の原稿の後に、柳宗悦の原稿が掲載されていたりします。
なお、一押しの「旧前田侯爵邸」(前田の殿様のお屋敷跡)
http://www.syougai.metro.tokyo.jp/sesaku/maedatei.html
ですが、私が駒場の看板で見たところでは、8月から来年3月まで耐震工事のため非公開になるようです。
と思ったら、耐震工事は日本家屋のほうでした(駒場で貼り紙発見)