先日、久しぶりに電車に乗ったのですが、ここでも人はちょっとした「MA(間)」を取っていることに気が付きました。
最初に気が付いたのは席の座り方です。ほとんどの人は誰も座っていなければ、まず両端の席に座ろうとします。そして両端が埋まると一席、二席分空けて座りだします。
それは立っている人にも同様の事が言えて最初に埋まるのは出入り口の両端で、そこが埋まっていると次に端の方から埋まっていっているように見えます。
また、こういったパーソナルスペースの研究の中には男性トイレを対象にどの位置の便器を使用するか、また前客が居た場合はどれだけの時間使用するかという研究もされているようです。
その研究結果によると前客がいない場合は一番奥から使用され、前客がいた場合使用時間が長くなるということでした。
こういった研究結果からも人は自分以外の物や人とある一定の距離や時間を確保することで身心の安定を図ろうとしていることが分かります。
それは臨床を通していても分かることで、クライアントとの距離(マ)というのもからだの治癒力を引き出す上でとても大切なことです。
特に初診のクライアントの方には心とからだとの距離、会話の「間」、臨床の「間」、それぞれに近すぎず遠すぎずの程好い「マ」を持つようにしています。
その「間」の図り方というのも臨床のスキルの一つであり、決してそれは人から教わって身に付くものではない感覚的なもののように思います。
現在、私達が操体から得ている学びも、そういった感覚を学ぶということであり、言い換えれば「マ」を学ぶということなのです。