東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

憶の快ってなんだろう①

香さん
一週間ありがとうございます。

今週担当の瀧澤です。
引き続き、テーマは「憶の快」です。
よろしくお願い致します。

ここ最近、久慈ではつよい風が吹いています。
冬といっても晴れの日が多いので、風がなければ気温が
氷点下近くでも耐えられないほどではありません。

ところが、風がつよいと太陽が出ていてももろに冷気を
浴びてしまい、寒さが何倍にも感じられます。

よく行くコーヒー屋さん(そこは外に飲む場所があるの
です)でコーヒーを飲んでいると「今日は風がないから
まだいいね」なんて会話もしながら、そんな日はついつ
い長居。

反対に、風がつよい日には「今日はテイクアウトで」と
言うお客さんもいるなか、もう少しおしゃべりを愉しみ
たいと躊躇しつつも、もうここまでと切り上げる。

そのあと、あったかい室内に戻ったときのあの何とも言
えないからだの奥から「ホッ」とする感じ。思っている
以上に寒いと感じていたんだと気づく瞬間です。

一方ではおしゃべりしたいという思いがありながら、も
う一方では寒さから解放されたいという思いもある。

どちらがからだに根づいているかといえば、あの何とも
言えないからだの奥から「ホッ」とする感じが教えてく
れるでしょう。

しかし、もっと言えば、本人がそろそろ帰ろうと行動に
移す前には、からだは皮膚感覚で「寒さ」を感じ、皮膚
血管は収縮し、血液は内臓に集まり、体温の放散は阻止
される。または、褐色脂肪細胞中のミトコンドリアがヒ
ーターの如く熱を産生してくれる。

本人のあずかり知らないところで、皮膚も内臓も細胞小
器官も恒常性によって、環境に適応しようと、「感覚」
し「うごいている」。

そういったものが、僕たちの「からだ」には刻まれてい
るようです。