東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

あなとほと私の精に操体は関わる①

 皆様、おはようございます。

「私の操体歴」をテーマに一週間、ブログを担当する茅ヶ崎在住の岡村郁生です。

少しばかり道草しながら書き綴りますから、よろしくお願いいたします。  

 

今回は操体の今に至る”結び=現在”ともいえるエピソード。

少々長い自己紹介とも重なるけれど、お付き合い頂ければありがたい。

 

そもそも操体との出会いとは、奇遇というか、神秘現象の具現化かもしれない。

治療という枠に納まらない操体と出会い、臨床の方向性を臨生(臨床)とし、

生かされている目的に従って、このイノチの方向性を学べるのだから。

 

臨床家として治療家の枠組を超え、自身のイノチをも満たしていく日々の学び

に新鮮さを感じる。

まさしくそれは、生命の意志「からだ」を通じて自分の本質そのものと向かい

合う喜びとなっている。

 

「何故?操体なのか」それは、操体の今に至る物語。

 

<直感だけでない操体との出会い>

22歳の時に初めて、いわさきちひろ氏の扉絵が印象的な橋本敬三先生の著書

「万病を治せる妙療法、操体法」(農文協 健康双書)と出会うことができた。

そして読み進めていくうちに、大きな一つの事実に気付く。

 

著者は、“治すことを教えていない”のだ。

しかも危険がないのだから試してみるに越したことはない。

イメージを膨らませ、見よう見まねで手の当て方や力加減を工夫し、当時の同僚

に頼んで患者役を引き受けてもらっていた。

 

当たり前の事だが、そう簡単にヒカガミの緊張は取れず、そうかと思えば上手に

取れるときもあり、全くもって簡単に見えて本当に奥が深く、難しいので夢中に

なって何回も本を読み進めつつ、毎日爪先上げの操法(第一分析)施していた。

  

記憶にある体験で最も印象的なのは、ご婦人の眼の窪みの病態変化だった。

この体験は未だに忘れられない。

その婦人を正面から見ると、片方の眼窩が大きく窪んでいる。正常な片方の眼球

に比べて引っ込んでいるのである。相当目立つ場所だけに本人も気にしている。

 

昔、大病を患ってから急に変化してしまって何をしても治らないという。

私は按摩を行ったあと、いつものように仰臥位で膝を曲げて頂き、爪先を反らし、

背屈して脱力するだけのような、稚拙な第一分析まがいの操法を行って終了した。

 

ところが驚いたことに、次の日も按摩を指名されてたので部屋に行ってみると、

そのご婦人は私に会うなり、喜び勇んで駆け寄ってきて大きな声で言い放った。

「見て、先生!眼が膨らんできたのよ!」と、 ビックリしたのは私である。

 

確かに昨日と比べると、明らかに左右眼窩の窪みには、差が無くなっている。

これには仰天してしまった、が同時に不思議と覚えているのこともある。

その刹那、瞬時に“これは私の治療効果ではない”と直感が囁いていたのだ。

  

注:注釈~回顧録

当時の私は、熱海の鍼灸指圧師の専門学校に入学して、熱海に住みながら毎日、

視覚障害者協会の副会長で、治療院を経営する先生を頼りに、丁稚奉公しながら

三年間でのアルバイトで学費を稼いでいたのです。

 

そんなある時、通っていた学校図書室で手に取った一冊の本。

それは「万病を治す妙療法」という変わった題名の運命の書。

 『きもちがいいということ、これっていいことなんだ!』

当時の私は、この事実に目を剝いて興奮したのを思い出します。

   

 ただ、実際に施していた按摩は、ほとんどの方はお酒を飲んでいたせいもあり、

習いたてほやほや下手な按摩でも、すぐイビキをかいて寝てしまうことが多く、

『これでいいだろうか?』と疑問を感じながらも生活のために行っていました。

回顧録終了~ 

 

そういえば、 熱海ってバブル景気が終わってから、一時相当寂れてたんです。

ところがどっこい、ここのところ観光客がV字回復しているってご存じですか。

一時癒やす温泉場から、愉しく関わる温泉場になって人気急上昇なんですよ。

熱海の奇跡

熱海の奇跡

 

                                 (続く)

 

今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

※「操体マンダラ」とは?

三浦寛が一日、操体の最新情報について語る、操体三昧の一日です。
弟子一同にとっては「師匠孝行する日」。

東京操体フォーラムや、通常の講習では語りきれないことを、

存分に出していただこうという算段です。
今年からはリクエストにお応えして、10時〜21時の開催になります。

昼食会
サイン色紙&ツーショット撮影会

足趾の操法®アドバイザー認定、操体プラクティショナー認定式、

今年より「足趾の操法指導者」認定を行います。

開催日時:2019年7月15日(月)海の日
10時〜21時 ルーテル市ヶ谷センター

★予約制で、当日の参加受付はありません。ご注意下さい

https://www.sotai-miura.com/?p=1314