今回のタイトルは 「操体を初心者に説明する」 です。 1週間にわたってお届けします。
人に何かを説明するというのは意外と気を使うものである。 なぜなら、物事を正確に伝えることができたのかどうかということが重要であるからだ。 我々が何かの説明を受けた場合、大抵は誤解することになってしまう。 誤解することなく理解しているという人は僅か1%にすぎない。 それは実に95%以上の人が誤解している。 そして残り数%の人は誤解も理解もしない、ただ正直に 「解らない人」 である。
しかし、誤解するくらいなら何も理解していない方が断然、良いに決まっている。 この正直に解らない人こそが真に理解する可能性をもっている。 そして誤解している人というのは、永遠に理解することはないということを記しておきたい。 操体の臨床家が 「操体について」 の説明をすると、大概は誤解されてしまう。 まして初心者ならなおさらのことである。
「~について」 説明するというのは、その臨床家自身が本当に操体を理解していないからだと言える。 もし、真に理解していたなら 「操体について」 の説明をしたりしない。 操体を理解している臨床家なら 「操体について」 ではなく、「操体を」 すなわち操体そのものを説明するだろう。
もし、操体の臨床家が 「操体について」 説明するとしたら、それは操体を理解していない証拠だ! つまり、「~について」 ではなく、「~を」 説明するということがその大きな違いだ。 このように説明する側の問題を解消すれば、誤解する率は半減するだろう。 このことを心にとめて操体を他の誰かに説明しようと思えば、まず臨床家自身、操体を理解していることが必須条件になる。