東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

からだと心をつなぐ調息

 「調身・調息・調心」 というものがそれぞれ直接、あるいは間接に繋がっているということは初日から述べてきた。 そして、肉体と精神の間にあり、その両者をつないでいるのが神経系であることもすでに述べた。 この神経組織は精神により密接な繋がりをもっている。 というのも、神経と精神の間には不可分の相互関係があるからだ。 そして、その神経を支配しているのが 「呼吸」 であり、それをバランスよく調えるのが 「調息」 である。

 

 心が動揺すれば呼吸は乱れ、呼吸が乱れている間、心は平静にならない。 また、呼吸を司る自律神経の働きによって、呼吸は自動的に行なわれている。 だがしかし、他面において呼吸は意識を以ってある程度支配することも可能である。

 

 そのように呼吸を意識的にコントロールすることによって、呼吸器に関係する自律神経の興奮を調整するのが調息の狙いどころである。 そして呼吸に関与する自律神経の調整は精神の情緒の中枢に良い影響を及ぼすことになるが、やがてそれは情緒の平衡と全身の自律神経の調和をもたらすことになる。 それゆえに調息は健康にも大きな関係をもっているのである。

 

 また、調息においては、心を落ち着け(調心)、肉体をくつろがせる(調身)ことも調息に欠くことのできない必須条件である。 「心」 と 「からだ」 と 「呼吸」、これらを調えることが調身・調息・調心というものであり、操体における 「調える(ととのえる)」 ということの説明としたい。

 

 

明日からは、香実行委員が担当します。 どうぞお愉しみに!