東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

この状況下でも、いつもどおりに。

おはようございます。

私の診させていただいている方達のなかには、愁訴の有無に関わらず、月に一回とか2週間に一回は必ず来院してくださる方も何人か居ります。
その方々とのお付き合いは、もう何年にもなり、この新型コロナ禍の状況下でもお付き合いの途絶える方はおらず、有難い事だと思います。

治療家のなかには「一回で治してやった」とか自慢げに吹聴する人もいます。
ですが、それは本人の生命活動と環境、時間、空間の関わりの中での一場面に過ぎないのです。
だから、腕のよい治療家の施術ほど、治った?状態が長続きするといった声もよく聞きます。  

しかし、操体臨床には良い状態が長続きするだけでなく、より良く変わっていくという特徴があるのです。
その特徴を可能としているのが、症状、疾患にとらわれずに、からだの要求に寄り添い、バランス制御に導くという事です。
そして、被験者(患者)本人も臨床に参加するというのも特徴です。
被験者本人も、自分のからだと感覚をとおして向き合い、そのなかで気づきを得ていく。
治し(バランス制御)をつけるのは、からだなのですから。

だから、一回で治ったと自分のからだに対する今までの反省がないまま、その先の時間、空間を過ごす人よりも、からだから気づきを得、生活習慣を変えていきながら、その後の時間、空間を過ごす人の方が、バランスの向上から健康の維持、そして増進へと向かえるのです。

これは長い年月のスパンでみれば、その時の愁訴を解消しても、後々大病を誘発する要因をつくるようでは却ってよくないという事でもあり、一番大切なのはからだの要求に則ったバランスという事なのです。

操体は、そうした真理を橋本敬三先生の時代からずっと探究し、快適に満足して充分に長く生きていけるよう研究がされてきたのです。
今の一般的な治療医学の認識からは、解りづらいかもしれません。
しかし、体感、体験して必要性を感じ、愁訴の有無に関わらず、お付き合いが続いている方も居る。有難い事であります。

この新型コロナ禍の状況下ではリスクを感じるでしょうが、いつも以上に体調管理、衛生管理を徹底し、こまめに喚起するなど感染リスクを下げるよう工夫し、いつもどおりに診させていただけるようにしています。

今日、7月23日は海の日ですが、海の日といえば毎年恒例の操体曼荼羅の行われる日であります。
今年は新型コロナ禍の為、私はZOOMアプリでのリモート参加となり、なにか寂しい気持ちもありますが、いつもどおりに参加できることを嬉しく思います。