東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経の解説~真意を汲んだ経典。

おはようございます。

 

「般若経」を体系づけた橋本敬三先生の悲願は、全ての人が健康で快適に十分に満足して一生を全うできるように、という事だった。

これは、人間をはじめ此の世を創造した神仏の真意にもつうじると思う。

そうでなければ、此の世など存在していない筈である。

本来は有難く出来ているのだと思います。

 

しかし、人間の場合は他の生物と違い、なまじ知識があるものだから思考的にそんな有難さは当然なものとし、他の知識欲を掻き立てるものに目が向きがちとなる。

そして迷いを生み、浮遊しながら悩みを抱えてしまう。

心だって、元々の土台や軸を蔑ろにしたまま、あっち転びそっち転びしていては傷つきやすくなる。

 

だから、仏教はじめ心の在り方の教えというのは、元々は有難く出来ているのだからそちらに目を向けて、そこに心の在り方を調和させていくように、というのが大方の教えだと思う。

 

しかし、それが上手く行えないのも人間なのだと思う。

だから、経典というのが必要であり、様々な迷いや悩みに対応しながら、より良い方向にと導けるようにしているのだと思う。

 

では、健康に関してはどうだろうか。

健康に関しては、心の在り方も大いに関わることは確かだが、この身体も元々自然から生じ、自然環境に適応できるように、元々は有難く出来ているという事に気づく事が大切。

身体の設計にミスはなく、からだはそれを常に遂行してくれている。

 

そんなの身体の恒常性だから当然、と、その時点で知識で切って捨ててしまえば、有難く出来ている事にも気づけないし、気づけないから自ら身体の土台や軸を崩すような事をしていても分からない。

そして、分からないまま健康の基礎を害して様々な症状疾患を生じさせてしまっている。

 だから、神仏の真意を汲んだからだについての経典が必要であり、橋本敬三先生は「般若経」の体系づけに邁進していたのだと思います。