東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経(5)自分でできる

橋本敬三先生がNHKに出た時のDVDがあります。
今は、絶版になっているようですが、NHKのライブラリからこれを掘り出してくれたのは、私の編集学校での生徒さんでした。
(なので、私はマスター版を持っています)
 
この中で、橋本敬三先生が、患者さんに「般若身経」のわら半紙に刷ったものを渡しているシーンがあります。
 
操体は、本来、医者が患者さんの治療に用いていたものですが、一方では「自分でできる」ということにもなっています。
 
 
「簡単だから家でもやってみなさい」
 
多分、これが「操体は自分でもできる」という捉えられ方の一端だと思います。
 
 
この「自分でできる」というのがクセモノです。
 
本当は一人でやっても、誰かに助けて貰ってやっても「感覚」は本人にしかわかりません。
なので「自力自療」と言っているのです。
 
これは自己治癒力とか免疫力にもつながってきます。
 
「一人でできる」とは、ちょっとニュアンスが違うことをおぼえておいてください。
 
例えば、指先を包丁で切ったとします。
小さな傷ならば、絆創膏でもはっておけば、傷は塞がって治ります。
これが、自己治癒力です。
 
生物は、もともろ治るちから、治せるちからを持っているのです。
 
それを引き出し、治るちからを発揮させるのが、操体の役目です。
 
なにも、体操みたいなことをするから治るのではないのです。
 
先程指を切った話をしましたが、以前、受講生が包丁で手を切って講習に現れたことがありました。
 
不思議な事に、指を切ってもひかがみには圧痛硬結が出ます。
 
我々はその受講生の「治るちから、治せるちから」を引き出すような動診を操法を行いました。
 
完治までの期間が短くなりました。
 
切り傷の快癒スピードが高まるのも操体の特長です。
 
 

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