東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

あなたに操体・操体法をお薦めする理由 4

おはようございます。

 

臨床で診させていただく人の中には、スポーツ障害で悩んでいる人もいます。

そのような人たち、特に中学生、高校生といった若い世代の人を診ていると、つくづく操体の必要性を感じるのです。

 

操体は身体運動を、機能解剖をはじめとしたメカニズム的な面だけで捉えているわけではありません。

このような捉え方だけだと、どうしても「からだ」のことが隅に置かれてしまいます。

身体運動もからだの支えがあってこそであり、自分で意識する運動は感じてうごくからだの動きによって成り立っている。

そこが重要であり、それ抜きに自分の意向ばかりを身体に押し付けようとするから、バランスを崩すのです。

 

コップの水を飲む動作一つとっても、自分が身体にどのくらいの力でコップをもってとか、いちいち命令しているわけではない。

意識にのぼらずとも、からだが感じて動いてくれているから成り立つのです。

こうしたからだの動きは生存にとって不可欠であり、もし、からだの動きが調和に向かず、無秩序なものだったら生存は成立しないのです。

こうした元来備わった有難さに感謝しつつ、感覚をつうじて身体運動を合わせていく。

そうすることでバランス制御が可能となってくるのです。

 

操体は長年にわたり、からだの動きの研究、研鑽を続けてきました。

なぜなら、それによって健康の元を正し、底上げしていく事が可能であり、その過程で様々な症状、疾患からの快復をみるからです。

からだや自然からすれば、それが当然の成り行きなのかもしれません。

こうしたことは、固定観念に凝り固まった大人よりも、若い人の方がよろこびと感動をもって受け入れられるようです。

そうした体感的に得たものを、これから生きていく中で活かしてもらえれば、個人だけでなくより良い社会をつくることにもつながるのではないかと思います。

 

ともあれ、身体の動きがからだとの調和に向いて、快適なバランス状態となり目をキラキラと輝かせている若い人をみると、こちらも嬉しくなり、操体を続けていて良かったなと思うのです。

そして、心の中で、長年からだから学び、伝授してくださっている師に「有り難う御座います」とつぶやいてしまうのです。