東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

左様に感謝③

(つづき)

本当に嫌がると、子供の場合は九割以上、ひだりに顔を向けると、

ベテラン小児科の先生は語っていました。

 

また、「足の働きと子供の成長」の著者、近藤四郎氏は(京都大学

霊長類研究所の初代所長を務めた方です)こんな指摘をしています。

 

近藤氏によれば、子供を観察していて興味深いのは、赤ん坊は立ち

上がる前のハイハイは、だいたい左足から始まるのだそうで、次に

左手、それから右手、最後に右足と言う順序になる。

 

この一連の運びとは興味深いことに、哺乳類のみならず原則として

爬虫類や、両生類にも見られる「からだのうごき」らしいのです。

 

人間の赤ん坊は、立ち上がり、歩き始めるようになり、ハイハイを

(四つ這い)を「うごき」の学習とする過程は脳の発達に重要です。

 

しつこいようですが、原則的に「ひだり」足からみぎ手みぎ足から

「ひだり」手という順序になるこの運びは、足の親趾で蹴り出す事。

 

これこそ大人になる過程において、大脳を発達させる鍵になんです。

保育園の子供でも、四つ這いで「ヒダリ」足から始まりのミギの足

の母趾で蹴り出す運びができていないと、ことばを話すのは遅い。

 

親指で蹴り出すことを教えると、言葉の発生も繋がってくるのだと、

研究されて語っているベテランの園長もいます。

 

そう考えると、我々人類の祖先を肯定して、自然(じねん)の中で

遡っていくと、私たちもなぜ?「ひだり」足から歩き始めたのか、

検証して観察できる時代は遠くないように想うのです。

                          (つづく)

 

 

「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。