(つづき)
またある時。
その有名な画家はある機会に、若い画家にも伝えた。
若い画家は自信を失っていた。
「私は力がなく才能に欠けていると思う」と愚痴を言った。
有名な画家は
「力が足りないのではない、真剣さが足りんのだ!
箒を持つのも重そうな若い奥さんでも、いざ火事となると、
タンスでも、
全く以て、そうなのだ。そのとおりなのだ。
生きることに、真剣さを持ち続けることができれば、
操体の学問に「生かされし生命観」というものがある。
それは、橋本敬三師の哲学思想。
この「想念」を読み込み、臨床で実践し、感じて噛み砕き、
味わい飲み込んで、実践すること繰り返せば気付いてくる。
そのうち、よりよく生きているうちに愚痴は消えている。
実感としても、生かされていることに感謝ができるのだ。
毎朝、こう問い掛ける。
「おい!人生の主人公よ! 今も本気で生きているか?」
なによりも「生命」「からだ」にとって、素直でありたい。
(※有名な画家とは、故、横山大観氏)