東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「からだ」が主語になるように⑤

「からだ」そのものにインプットされた記憶は、いつでも鮮明によみがえる。

師の臨床を初めて受けた時のこと。

 

師は何も聞かなかった。

「からだ」にふれただけだった。

「からだ」が主語になる空間になっていた。

 

何も知らない「私」は、それを言い表す「ことば」を持たなくても、そのとき、ちゃんと「からだ」が主語になっていました。

「からだ」が主語になるとは、「からだ」からいただく姿勢とは、このようにしてなる、ということを、「修業」前にいただいていたのです。


個人レッスンがはじまってからも、しばらくは「渦状波Ⓡ」を受け続けました。

当時の「私」では、感じられなかったその意味を、「からだ」は記憶し、今伝えてくれる。

「からだ」が主語になるように、「からだ」からいただけるように、「うつわ」になるようにしていただいていた、と。

 

自分のために、他人のために、の前に、「からだ」がある、ということを感じ取っていくこと。

「からだ」が主語になったとき、周囲を巻き込みながら、臨床空間や生活空間がどんなふうになっていくのか、真摯に向き合うこと。

操体をとおしての修業はこれからだ、と感じられてくるのです。

(つづく)

2022年春季東京操体フォーラム
2022年4月29日(金)祝日 
ハイブリッド開催(会場参加は、一般社団法人日本操体指導者協会会員優先)