一度丁寧に作り上げたものを、一回分解してまた作り直す。
こういう「やりなおし」もどうも苦手なこととして過ごしてきた。
でも、勉強を続けていると、この作業こそ必要なことのように感じられてくる。
近年、注目されている、からだのなかで起こっている「オートファジー」という現象がとても面白い。
このプロセスでは細胞内のたんぱく質における合成と分解が、このからだが動かなくなる日まで、何度となく営まれている。そして、この過程が寿命と老化、免疫を左右する要因にも繋がっているらしい。
細胞で営まれているこのオートファジーを見習えば、「作りっぱなし」は老化に繋がっていくものとも考えられる。同じもののように思えても一旦分解して、再構成することには大きな意味がある。それが小さな細胞のひとつひとつで起こり、全体としての長寿にもつながる。本当に興味深い。
「学び方」にもイノチの永い学び方と、そうでない学び方があるのかもしれない。
そして、よくよく考えてみれば、うちの師匠なんて、まさにオートファジーの如く、分解と合成を繰り返す学び方の人だ。いつまでも若々しい学びのなかにいる。
だから操体という学問も、今も進化をし続けていられるのだと思う。
2022年4月29日(金)祝日
ハイブリッド開催(会場参加は、一般社団法人日本操体指導者協会会員優先)