東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

海と災害(5)

2011年の震災時の津浪では、気仙沼の親戚の家が結構流されました。
鹿折唐桑(ししおりからくわ)駅の前に、津波で船が流されて打ち上げられた有名な写真がありますが
 
丁度伯父の家の近くでした。
最初、伯父の家と打ち上げられた船の関係が全く結びつきませんでした。
 
伯父夫婦は車で避難して無事でしたが、結局は娘(私の従姉妹)がいる仙台に越しました。
一方、別の叔父は、南三陸町の、いわゆる「津波アパート」に住んでおり、こちらは津波でも流されず、屋上に避難してヘリで救助されました。
 
この叔父夫婦も一旦は息子(私の従兄弟)がいる名古屋に越しましたが、食べるものも違うわ、友達もいないわで、多少不便であろうが、息子達とは別々に暮らすことになろうが、残りの人生は好きなところで過ごしたい、ということで、結局は住み慣れた宮城県登米市の仮設住宅に戻ることになりました。
 
このことは、河北新報(宮城地方紙)にも載ったのですが、私はこの話を聞いて
「損得」や「正しい・正しくない」ではなく「快・不快」で登米の仮設住宅に住むことを決めた叔父夫婦をちょっと「エライ」と思いました。
 
普通なら「年寄り夫婦なんだから、不便な仮設よりも息子夫婦と孫を一緒に余生を」とか、考えるところですよね。