東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

山で野宿③

ふいに思いつき行動できる有り難み。街を出て数時間走る場所。

遠くから近くなる山の麓につき、身支度を整え、登り始める。

 

山の山頂をめざし、地を踏み締め、カッパをきて、雨に打たれ、

その勢いとその激しさと、皮膚の感触を味わう。

 

何も考えられなくなり、ただ感じるだけになり、ただ前に進み、

身を沈め、どこかで休めるところを探す。

 

 

始まりの時をイメージしてみると、人間と動物の間には違いが

なかったのだろう、と理解できる。

 

その頃は、あらゆる生き物が地上に生活していた。

人間は、動物に変身したいと思えばできただろう。

また、動物が人間になることも難しくなかったのかもしれない。

どちらにしても、大した違いはなかったんだろう。

 

生きているものは、時に動物だったし、ときには人間だった。

みんな同じ言葉を話して、その頃の言葉はきっと、魔術のようで

言霊は神秘的な力を持っていたことだろう。

 

出まかせに発せられた言葉も、非常に強い効果を生むことだって

きっと、あっただろう。

 

勢いのある言葉は、たちまちにして生命を得てしまう。

その生命の力で、様々な繋がりや、願いを実現してきたのだろう。

 

「山」に入ると言葉は力だと感じる。

ただし、そんなことを説明したらすぐにダメになってしまう。

 

昔は、そう、はじまりの時は、万事が全てそんな風だっただろう。