おはようございます。
今回の春季フォーラムは研究会というかたちで、「見る」「受けてみる」「やってみる」ということをコンセプトに実技中心に行われました。
実技では、ヒカガミの硬結の触診からはじまり、第1分析による足関節の背屈、両膝傾倒の動診と操法を行いましたが、普段は第2分析、第3分析の臨床を行っている人にとっても、第1分析を改めて行ってみることで、得るものが沢山あったと思います。
第1分析では、一つ一つの動きに全身がどのように連動するかが、体系づけられていませんでした。したがって今回の実技でも、末端が動き、からだの中心腰・骨盤が作動すれば全体としての連動性が表現されてくる、という大前提だけに応じた言葉掛けで行いました。普段、第2分析を行っている人からすれば「ここで、こう言葉掛けをしたら・・・」と、歯がゆい感じもあったと思います。しかし、連動性が把握できているがゆえに、それに助けられて、疎かになっている面が、(私もそうですが)誰にでもそれぞれあると思います。今回、連動性を促す言葉掛けを使わず、第1分析をポジション設定から一つ一つ作法に基づいて、行った事は意義のあることであり、より良くする為の気づきが、それぞれ得られたことと思います。
勿論、第1分析をポジション設定から一つ一つ作法に基づいて、行った事は初学者の方々にも、有意義だったと思います。はじめから上手くいくほど生易しいものではないですが、一つ一つを、実技の前に行った般若身経ともリンクさせて、学びを継続していただければと思います。そうすることで、一つ一つが意義ある事として腑に落ち、自身の健康増進にも役立ちながら、臨床効果も上がるという様になってくると思います。正法に奇特なしという諺もある様に、すぐに効果が上がる事が出来る様になる、と謳っているものほど邪道が多いのです。やらなければなんにもなりませんが、一つ一つをしっかりやれば、必ず良い報いがあると思います。
それと、今回行った第1分析は、勘違いし易い要点もしっかり抑えていたと思います。足関節背屈の操法は特にそう感じました。足関節の背屈は足首を背屈させればいいというものではないのです。しかし、その名前からか、足首に介助し、「足首を反らせて」と誘導している人も、多いと思います。これでは、なかなか全身の連動性は促せません。今回行った介助法の様に、つま先の付け根に沿うように手を当て、「踵はつけたままで構いませんから、つま先をスネに近づける様に反らせていただけますか」と言葉掛けをすることで、全身の連動性が促せてくるのです。この違いは、自力自動でやってみても確認できると思います(但し、力まずゆっくりやらなければなりません)。末端の局所だけ大きく動いても、全身が連動しなければ意味がありません。末端の局所の動きは小さくとも全身の連動を促す事に、意義があるのです。第2分析を行う上でも、役立つ事だと思います。
介助の目的は
1.動きの安定をはかる
2.動きの充実感を満たす
3.全身の連動を促す
この3つの条件を満たしながら
4.よりよく感覚がききわけられるように導く
三浦寛先生著 〜操体臨床への道しるべ より〜
この中の4は第2分析になりますが、いきなり4ではないのです。今回おこなった第1分析にも当てはまる、1.2.3.の条件を満たしながらの4なのです。ですから、参加して下さった方々全員にとって、第1分析を理にかなった一つ一つの作法から、やってみた事というのは、大変有意義な事だったと思います。
それを、とる、とらないは、後は本人次第という事になってきます。
フォーラムという限られた時間内では、やれる事に限りがあります。もう少し時間をかけてじっくり学んでみたいという方は、定期講習を受講されてはいかがでしょうか。
操体法東京研究会「操体臨床コース」開設
友松 誠。
三浦寛 操体人生46年の集大成 "[http://www.sotai-miura.com/?p=484:title=Live
ONLY-ONE 46th Anniversary]"は2012年7月16日(海の日)に開催致します。
2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定