東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

素食に関して。

おはようございます。


今日は朝から珍しいお客さんの来院です。
そのお客さんは、玄関の掃除をしていると、ヒュ〜と入ってきました。
燕尾服で正装した紳士?です。

どこからきたのだろうか。反対側の窓を開け、出られるようにしているのに、部屋の中を愉しそうに飛び回っている。寒い冬のあいだは東南アジアの方にいっているというが、やっぱり日本が良いのでしょうね。秋になってまた旅立つ時は、軒先を貸してくれた家主には、旋回して感謝の意を示していくという話も聞きます。穀物を食べず、害虫を食べてくれる益鳥として、昔から人間と仲が良かったのでしょうね。


 昆虫しか食べず、元気に飛び回っているツバメを見ていると、春季東京操体フォーラムのメインセミナーで、三浦寛理事長が仰っていた「人間だけが色々食べて病気になっている」という言葉が脳裡に浮かんできた。肉食動物は肉食、草食動物は草食と決まった原則食がある。人間は雑食だといわれるが、同じ様に人間にも原則食、素食、がある。人間にとっての素食、つまり必要な素となるものは、果物だという。
 橋本敬三先生は「生命を支える栄養の合理的摂取」と題した文章の中で、最高の人類の食は逃げるものを捕まえて食わないことではあるまいか。動物の世界では弱肉強食が行われているとしても、人間は最高の生物として、仏教の示す殺生をしないですむなら、そうありたいと念願する方が純粋だと思う。・・・中略・・・人間一日の往復歩行が可能な距離を半径とする圏内の地域に育つ植物、しかもその時節に応じた植物食を摂ることが食の原則ではあるまいか。と書いています。
 この文面から、人間の素食は植物食となってくるが、菜食主義というのとは、ちょっと違うと思う。その時節に応じた植物食といっても、植物自らが「食べてほしい」という要求があるものを食べるというのが、最高の生物たる人間の食という事なのではないだろうか。
 野菜と果物では、野菜はそのままでも食べられるものもあるが、旬といえども火を通さなければ食べられないものが多い。その点、旬の果物はそのままで食べられるものが、ほとんどだ。旬の果物というのは、食べてほしいという要求があるのだと思う。熟したその実を食べてもらい、そのかわり種を運んでほしいという要求がある。だから、内臓にも負担をかけないのだと思う。
 食に関しては色々な考え方があり、それぞれ学問として成立させているが、ちょっと見方を変えるとすぐに矛盾が生じてくるものも多い。だから、単一的にからだに良いともてはやされるものが、出ては消え、出ては消えしている。時間、空間のかかわりの中で、生かされて生きている人間にとって、それを無視した考え方というのは矛盾が生じてきて当然なのだ。しかし、橋本先生のような考え方から、自然界の一員としての人間の食を考えれば、矛盾はなくなってくる。
 人間にとっての素食というものが、きちんとあり、それを理解した上で、生き方の自然法則である、歯の種類と数に注目した食物の種類と量の摂り方を、慎んで行っていけば良いのではないだろうか。そんなことを思いました。


一週間お付き合いいただき、ありがとうございました。



来週は金環日食が四半世紀ぶりに、見られるそうですね。
私の住む地域では、書店から金環日食用のメガネの付いた雑誌が、売れに売れていて、どこにいっても完売状態のようです。
天気が良いといいですね。

来週は中谷さんの担当となります。
来週もどうぞ宜しくお願い致します。


友松 誠。



三浦寛 操体人生46年の集大成 "[http://www.sotai-miura.com/?p=484:title=Live
ONLY-ONE 46th Anniversary]"は2012年7月16日(海の日)に開催致します。

2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定