東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

パワースポット その2 瑞鳳殿

出雲大社伊勢神宮など、誰もが知っているパワースポットの他に「自分だけのパワースポット」があってもいい。というか、その地を踏みしめるとパワーがあふれてくる、そんな場所がある。私の場合もいくつかあるのだが、その中の一つを紹介しようと思う。
それは、仙台の瑞鳳殿だ。ここは伊達政宗公の墓所である。
生前、政宗公は遺骸を仙台城下の南西部にある経ヶ峯に墓所を葬るべしと遺言していた。瑞鳳殿は、二代藩主、伊達忠宗は遺言に従い、政宗公逝去の翌年、寛永14年(1637年)、経ヶ峯に、青葉城に正面を向けて、政宗公の御霊屋(霊廟)瑞鳳殿を建立した。瑞鳳殿は、本殿・拝殿・唐門・御供所・涅槃門からなり、桃山文化の華麗な建築を誇った。
なお、伝説として伝わっているのが、政宗公は、奥羽地方で隻眼の聖人とあがめられていた万海上人の生まれ変わりと言われているが、経ヶ峯の瑞鳳殿の隣から、万海上人の墓所が見つかっている。それだけでも愛好家にとっては感激モノなのである。
瑞鳳殿wikipediaより)

昭和6年に国宝指定を受けたが、昭和20年の空襲で全焼した。その後発掘調査が行われ、昭和54年(1979年)、瑞鳳殿の本殿・拝殿・涅槃門・御供所が再建され、翌1980年(昭和55年)に瑞鳳殿資料館が新設された。

私は子供の頃から、仙台の英雄、政宗公のファン?であった。慶長遣欧使節団にも興味があった。2010年、マドリッドでフォーラムを開催した際、私は慶長遣欧使節団が、マドリッドを経由し、そこからローマに入ったことをテーマに考えてみた。
慶長遣欧使節団は、伊達政宗公が「日本国王」として、ローマ法王に対し、支倉常長を団長として派遣したものである。約400年前に仙台郊外からサン・ファン・バウティスタ号という船が出立し、1年かけてスペインに上陸した。仙台生まれの操体が、400年の時を越え、マドリッドに降り立つというのは、まるで暗号のようでもある。私は仙台の市立博物館を訪れ、学芸員の方に相談し、資料を拝借したりして、発表スライドを作成したのである。

最初に読んだ歴史小説が小学2年の時の「義経記」だったのだが(誕生日に父が買ってくれた)、歴史小説、歴史好きはこの頃からだったのだと思う。また、小学校3年の頃には、友人宅にあった「まんが日本史」を友人よりも早く読み切った記憶がある。友人の親御さんは、なかなか本を読まない我が子のために、わざわざ学研の「まんがシリーズ」を買い与えたのだが、おそらく殆どは私の役にたっていたのだと思う。友人は「サザエさん」とかは読んでも、日本の歴史をマンガでは読まなかったからだ。その後学生時代は山岸涼子の「日出処の天子」を読みふけり、大化の改新あたりは相当詳しかったのである。

日出処の天子 第1巻 完全版 (MFコミックス)

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というわけで、源氏贔屓というか判官贔屓というか、戦国武将だったら伊達政宗公という図式が幼少時からアタマの中に組み立て上がっていたのだ。

さらに、仙台の瑞鳳殿の地区は、御霊屋(おたまや)と呼ばれており、仙台の中でも高級住宅地エリアにあたる。私の叔母は若くして夫を亡くし、御霊屋にある社員寮の寮母さんをしており、割と小さい頃から「御霊屋エリア」は親しみ深いところだった。
瑞鳳殿の再建から二年後、1982年に東北新幹線(大宮−盛岡間)が開通した。開通当時は大宮までライナーで移動し、そこから新幹線に乗っていた。開通直後、父と二人で新幹線で仙台に行った記憶があるが、揺れが少ないので感動したのを覚えている。東北新幹線開通のお陰で、仙台はとても近いところになった。

そして、1987年(昭和62年)、大河ドラマ独眼竜政宗」が放送された。東北新幹線の便利さも相まって、瑞鳳殿は仙台の観光スポットとなった。

日曜の夜は結構遊びに行っていたのだが、私は遊びに行かず、このドラマを見ていた(笑)。
詳細はサイトを見て頂くか、DVDを借りて見て頂くのが一番いいのだが、キャストが豪華である。このへんは長くなるので割愛するが、今年の正月はDVDを借りてきて改めて「やっぱり何度見ても面白い・・・・」と感慨にふけっていたのだった。何せ、生涯のライバル、最上義光原田芳雄が演じ(最初のキャスティング松田優作だったらしい・・・)、秀吉を勝新太郎が演じ、片倉陰綱(片倉小十郎)を西郷輝彦が演じ、伊達成実三浦友和が演じ、母義姫は岩下志麻、父伊達輝宗北大路欣也、正室愛姫は桜田淳子、少女時代の愛姫は後藤久美子淀君樋口可南子(結局書いてるじゃん)というくらくらするような豪華キャストである。

ちなみに、政宗公の父、輝宗公の拉致を首謀して失敗した二本松城城主、二本松義継は、畠山義継とも言う。まあ、東北(特に気仙沼とか)は、やたらと畠山が多いが、多分私の遠い先祖も関係していたに違いない。
そんなことを考えると、何だか面白いではないか。
そうなのだ。
瑞鳳殿は私のパワースポットなのである。
仙台駅からタクシーだったら5分足らずで着く。タクシーだったら参道まで上がってくれるが、バス(るーぷるという周遊バスあり。時間がある方にはお勧め)で行くと、しばらく急な坂を登ることになる。
幅広い石段を暫く登ると、瑞鳳殿の入り口が見える。朝早めに行くと人がいないので、石段から左右にそびえ立つ樹木が見え、太陽が丁度正面に見える。このシーンは何度体験しても新鮮だ。拝観料を払い、お手水を使ってから早速門をくぐる。急な石段を何段か登ると、鮮やかな霊廟が目に入ってくる。桃山様式の美しい建物だ。これは再建されたもので、鉄筋でできているが、今後、本来の木造建築に戻そうという話があるらしい。話によると、元々はこのように華やかではなく、華やかな桃山様式の霊廟は、黒漆で塗られていたともいう。つまり、政宗公逝去後は、黒漆の地味な?霊廟なのだが、年月を経るにつれて、漆が落ち、中から色鮮やかなものが現れるという仕掛けだったとも言う。
お洒落なオトコを「伊達男」というが、さすが伊達男の元祖である。都に近い大名達も「ひなのきじん」つまり、田舎なのに何であんなに洗練されてるんだ?と言ったらしい。

そして、私のところの屋号「TEI-ZAN操体医科学研究所」は、元々「貞山療術院」と言う。「貞山公」というのは、政宗公の諡号でもあるのだ。開業の際は瑞鳳殿を参拝し「お名前をお借り致します」とお願いした。勿論仙台に行った際は、必ず瑞鳳殿のお参りに行き『殿』にお礼を申し上げるのである。

勿論、仙台に行く際は、郊外の葛岡霊園までタクシーを飛ばし、橋本敬三先生に会いに行く。こちらも私にとっては凄いパワースポットである。

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