最近TVでも健康関連の番組が増え、本屋に行けば「〜が体に良い」というような健康本が溢れています。
この時期ですと「上手な水分補給の仕方」がテーマにあがりやすいでしょうか。
番組ごと、本ごとにそれぞれの基準があり、共通項もあれば独自のものもあります。
おおむね、「水分はしっかり摂りましょう」からは外れてはいないのですが。
私は中学時代、バスケット部で根性、根性と叩き込まれていましたので基本的に練習中の水分補給はなし、
夏になっても例外はなく、頭から湯気を出しながらサウナのような体育館を監督の声がかかるまで延々と走って
(走らされて?)いました。
当時はわりと当たり前の光景だったようです(いまではちょっとした問題になってしまうかも)。
口はもちろんカラカラになりましたが、まわりを見てもぶっ倒れる人間はいませんでした。
この経験を踏まえると、必ずしも一般的な基準がすべてのからだに当てはまるというのではないということです。
からだは個性のかたまりです。ある人には効果的だったやり方も、ある人には効果が出にくかったりする。それは
当然の結果です。
では何を基準にすればよいのでしょうか?
それは原始感覚です。
原始感覚とは「快・不快」をききわける能力。わかりやすくいえば「これをすると気持ち良いなあ」、「あれをしたら
なんだか調子がいいぞ」、「これは気持ち悪い」、「これはやらないほうがいいぞ」と判断できる能力です。
もともと私たちのからだには原始感覚が備わっています。しかし、世の中に溢れている基準を「頭」で判断するこ
とが多くなった結果、原始感覚が鈍くなっています。原始感覚はあくまで「からだ」でききわけます。
からだで納得できたことは、まさに「腑に落ちた」ことなのです。
せっかくからだに備わった素晴らしい機能を使わないのはもったいない。
「頭」よりも「からだ」のほうがなんでも知っているのですから。
2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定