先日畠山理事から一冊の本を頂きました。
- 作者: はづき虹映
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2014/10/01
- メディア: 単行本
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この神社は高台にあり山や海や市街地が見渡せるようになっています。
以前は柔道の三船十段の記念館が立っていたそうで(今は別の場所に移設)、
現在は記念碑のみでしたが、そこでも一礼。しゃんと背筋が伸びて呼吸の通りも
よくなったような気がします。
頂いた本の中で、著者のはづき氏は日本列島を龍にみたてて、
各地方を各身体部位に当てはめて独自論を展開されていましたが、
読んでみると面白い。
(私は日本列島がどうしても「タツノオトシゴ」に見えてしまう(笑))
因みに東北地方は龍の「肺(呼吸)」にあたるそうです。
確かに東北地方は山や森が多く、空気を浄化してくれる場も多いので、
妙に納得しました。東北地方のもつ「環境」の力でしょうか。
さて、最近思うところがあります。
「息」、「食」、「動」、「想」とそれぞれの営みに関わる「環境」は
同時相関相補連動性でつながっていますが、それぞれの「環境」との
関わりの比重は、往々にして差があるのではないかと。
「息」、「食」、「動」、「想」を並び替えたり、様々な角度から眺めたり
していると、「環境」とのかかわりの裏には「欲」の存在があり、
「環境」と「欲」は表裏の関係にあって、それぞれの営みとの関わり方に
大きく影響しているのではないかと。
例えば「息」を例にとってみます。
「息」とは呼吸ですが、何故「息」を通すことが出来るかといえば
地球上に酸素があるおかげです。実際には人間の営みにおいては
酸素以外の元素も大きく影響してきますが、この「酸素がある環境」の
おかげで呼気を通し、吸気を通し、絶えず循環させることで外部の環境と
からだとの間で調和を図っています。
クジラなどの海洋哺乳類は別として、空気を肺にため込むことが出来ません。
目いっぱい吸い込んだとしても、せいぜいもって数分程度。
吸い込んだ酸素は体の中でエネルギー変換に使われ、代わりに二酸化炭素が
生成され、すぐにまた次の酸素が必要となります。
つまり、「息」に関しては「たまり」がない。
この「たまり」とは三木成夫先生の本に出てくる言葉です。
植物と違い、動物は進化の過程で、胃や肝臓、大腸などといった
食べ物をため込む「たまり」という場所を形成していったと説明されています。
ですから「食」に関しては「たまり」があるけれども「息」には「たまり」が
ない。(しかし、ため込む場所がないのにため込んでしまう現象もあるので
そこで不具合が生じてくるケースも)
- 作者: 三木成夫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: 文庫
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なおかつ「酸素がある環境」のおかげで「息」は「環境」との
結びつきが強く「欲」の入り込む余地が少ないように思うのです。
「人よりたくさん空気を吸い込んでやろう」という話はあまり聞きません(笑)
「たまり」を必要としない環境だったために、循環に特化した
進化を遂げていったと考えるのが自然ですが、自然界に目をやると
空気の薄い高所を飛ぶ鳥の呼吸循環は機能的に見て大変素晴らしい。
肺の中で新しい空気と古い空気が混じり合わないように絶えず一方向に
流れるように進化しています。飛行時の呼吸は環境に合うように機能
しており、効率よく酸素を取り込めるように出来ています。
「動」と「息」と「環境」が見事に調和しています。
操体の歴史において、「息」と「動」を繋げて見ていったとき
「動くときは息を吐きながら」から「動くときは自然呼吸で」に
変わっていったプロセスがあります。「息」を単体で捉えずに他の営み
とどうつなげていくか?
この進化はとどまるところがありません。
「2014年秋季東京操体フォーラム」 開催決定
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」です。
特に、22日は場所の都合上、人数が限られておりますので
ご参加希望の場合はお早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813