東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

可能性5・・・日常生活から変えていくことで。

おはようございます。

今週は老人週間ということで、高齢者に関してのニュースをよく目にします。
9月15日の時点で、65歳以上の高齢者の総人口に占める割合は28.1%と過去最高を更新し、70歳以上の方の比率も初めて20パーセントを超えて20.7%となり、5人に一人は70歳以上という割合になったという。

御長寿の方が増えるのは良い事です。願わくは、平均寿命が伸びるのと同じくして、健康寿命も伸びることですね。

健康寿命。これは、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間のこと。
この健康寿命を伸ばすことが、本人にとっても社会にとっても重要とされている。

そこで、よく言われるのが体力や運動能力を高めるという事。身体を鍛え、体力や運動能力を高める事で日常動作が楽に行えるようになる、という考え方。
この考え方は、一般に浸透していますが、果たしてそれで良いのでしょうか?考え方が逆立ちしているのではないでしょうか?

みんな人それぞれ個性があります。持病を抱えているという事も個性です。年齢が上がれれば、その個性も幅広くなります。長く生きてきたプロセスはそれぞれですから。

鍛えて体力や運動能力を高めるとした場合、それが出来ない人も当然いる。また、からだにききわけず、いきなり鍛えようとして逆にからだを壊し、日常生活に支障をきたす人もいる。


日常生活の中から変えていく。下の物を拾う動作一つとっても、無理や無駄のないからだの使い方もあれば、窮屈でからだに負担を強いる動作もあるのです。
ですが、体力という面からはいってしまうと、そういう事に気付けない。今は、鍛える事が出来て体力もあり、からだに負担を強いる動作での差し障りに気付けずとも、そのツケはついてまわっている。

日常生活動作をそつなく、つまり局所負担を減らして全体で合目的に行えるような動作に変えていく。そのように変われば、運動能力もおのずと高まるのです。
力を発揮するにしても、一局所ばかりに力がこもる使い方ではなく、全体的にからだが使える方が、力が発揮できる筈です。そして疲労も、ため込まなくなる。

そのように日常生活から変えていくことで、ある程度の年齢でも、自分のやっている仕事や趣味、芸事なども向上する可能性がグンと上がり、皆が皆そこに気づけば、健康寿命も更に伸びていくと思うのです。

 

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