操体法は、治療者の立場に立たず、治すのは受ける側の本人であり、
その能力を発揮しているのは、”からだ”にあり、そのものである。
言い換えれば、症状そのものこそ、治してくれる立場なのである。
しかし、本人にとって不都合なこの症状は、現代医学でも標的と
なっているため、症状を押さえつけること=治していること、と
勘違いしている人は、この日本では未だに多いように感じる。
事実「治す」というものは、取り扱い困難な立場におかれており、
現代医学では取り扱いの困難になってしまい、「自然治癒力」の
働きは、あまり現役臨床の医師の立場からは聞かれることもない。
ちなみに、「痛み」というものさえ、厳密には未だにわからない。
脳で感じるとか、身体の奥でおこるものだけでなく、皮膚の表面に
現れるものということを、ようやく現象科学的に伝えはじめている
くらいなのである。
それは、筋筋膜というものが関与していて、それぞれ今まで人体を
解剖する際に邪魔なものとされ、全く見向きもされなかったのだ。

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ところがどっこい、これは”コラーゲン”でできていて”重力”を
通じて、それ独自に電気を発生することができるだけでなく、なん
と伝導も行っていたのである。
生きている人間の「膜」それを測定出来るようになって初めて認識
することができたわけで、今までは無視していただけで、目に見え
ないものは無かったのでなく、それを測定する工夫がなかったのだ。
(続く)
2019年春季東京操体フォーラムは4月29日の開催です。
テーマは2018年秋に引き続き「身体芸術と操体」です