からだのなかで常に起こっているバランス現象。
この営みに対して、できる事ならば追い風に、
少なくとも、余計な邪魔をするようなことは
しなくてすむのなら、それにこしたことはない。
とはいうものの、理想と現実には大きなギャップがある。
禅寺の修行道場のようなところに強制的に身をおくようなことをしないかぎり、
生活の中には誘惑が溢れかえっている。
健康を維持することは、このある意味ハードな環境のなかで、
自分自身から沸き起こる色々をコントロールすることと無関係ではない。
そこに多大なエネルギーを傾注しているようにすら感じる。
静かにからだからのメッセージを受け取ろうにも、
油断していると刺激的な情報に意識は奪われる。
からだの本音はなんとなくわかってはいるけれど、
ついきこえないフリをしてしまうことも度々起こる
「自分」と「からだ」との波打ち際。
そんな環境にいて、理想だけが高くなればなるほどに、
その意識高い感じが自分自身へのストレスになってしまう事もある。
橋本先生はそのへんのことに関して、本当にうまいことを言い放った。
「間に合ってればいいんだ」
「及第点がとれればいい」
「60点でいいんだ」
「怠けてもいい」とか「適当にやってればいい」と受け取るか、
この言葉を味わいながら、自分自身と程よく折り合いをとり続けていくか。
先生の人間に対しての放言は、現代においてもまったく輝きを失っていない。