東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

治癒・・・4

おはようございます。

 

現代医学にはウィルヒョウの頃より解剖、病理の組織学から、器官の組織の細胞までの異常を病気としているようなところがある。

これは、病は内の方から生じてくる、つまり内の異常が外に影響しているという考え方。

 

だから「何か感じがおかしい」と体調不良を訴えた場合、器官の器質異常(病態変化)を念頭に色々と検査する。

それで、器質異常などの具体的な原因が解れば病名がつけられるが、具体的な原因が特定できない場合もある。

いわゆる不定愁訴と呼ばれるもので、その場合いくら本人が不調を訴えても「様子をみましょう」となってしまう。

根拠がないのに治療して「誤診でした」では済まされないのだから、手をこまねいているしかない。

 

こうした現代医学の考え方に異を唱えたのが、当の医師であった橋本敬三先生でした。

NHKのラジオ放送に出演した時も、現代医学の考え方には誤解があると仰っている。

その最たるものは、病気は細胞から始まる(内部に現れる)とする考え方。

 

そうではなく、からだの内なる要求が、外(ボディ)に表れる。

その表れは、からだが正しく使われていない証の現われであり、からだが正しく使われていなければ内部の生命エネルギーの流れや循環に大きく影響し、バランスを崩す事となる。

これを放っておけば、やがて内部の組織細胞の病変をみる事となってしまう。

そうならない為にも、からだは感覚をとおして教えてくれる。

不定愁訴も、そのからだの感覚が警告を伴いながら注意を促している状態、と捉える事も出来る。

そこから、からだの要求に適うようにしてあげれば、警報も止み、健康回復へと向かえるのです。

 

病の原因をミクロの内に見い出そうとするのではなく、マクロ的に外の表れから内の状態を思いやる。
そんな観の転換も必要であり、それが未病医学にもつうじる。
病因を特定できるまで、手をこまねいている必要はないのです。