おはようございます。
操体では、言葉を運命のハンドルとして捉えている。
自分の周囲に現象をつくり出す時というのは、言葉の指向性をうけ、言葉によって現象が具現化するという事。
だから、「よく思い、よき言葉を叙べよ、よきことがなる、悪しく考え、悪しき言葉を語るなら物事は悪くなる」ということが、操体の創始者である橋本敬三先生の時代から言われている。
また、「言葉を統制せよ」という教訓も、創始者から師、私達へと受け継がれている。
その為、動診操法を行う上での言葉掛けに関しても、厳しく指導を受ける。
何しろ、からだはこちらの言葉に反応するのだから。
その事を師は熟知されており、からだがより良く反応してくれるような、言葉掛けを伝授して下さる。
だからこそ、言葉の一語一句、言葉を掛けるタイミングにも厳しい。
その分、実際の臨床でも役立つのだから有難い限りである。
操体臨床で、からだがより良く反応してくれ、バランス制御に向かっている時というのは、調和に向けたからだのメッセージがある。
これは、被験者自身も感じているであろうが、被験者の動きをサポートしているこちらにも感じられる事である。
それは、調和に向けて「こうして欲しい」と自分の表在意識に強く訴えてくるものではなく、呼吸と動きの循環の中で自分を超えて、からだにそこへと導かれ、からだからの感覚をとおしてキャッチできるもの、気づかされるもののように感じる。
これは、自分を超えた神聖なからだのことばが言葉に変わり、よき事が成る瞬間でもあるようにも感じられる。