広い意味で考えると、輪廻転生も時空を越えた現象ではなかろうかと思う。一時、フォーラム実行委員の間で中谷さんがインスパイアされた「前世療法」という本が流行ったことがある。アメリカの医師が退行催眠を用いて治療に当たるという本である。これは退行催眠自体の効果というよりは、クライアントの問題(症状疾患など)の原因をその過去世に求めることにある。例えば、水が怖くて仕方ないクライアントの場合、何故水が怖いのか、何故水を見るとパニックを起こしてしまうのか、わからないから余計恐ろしいのである。しかし、退行催眠によって、過去世で溺死していることがわかった場合、「何故、水が怖いのか」という理由が分かるため、本人も納得がいき、水への恐れも解消してくるのである。
前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘 (PHP文庫)
- 作者: ブライアン・L.ワイス,Brian L. Weiss,山川紘矢,山川亜希子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1996/09
- メディア: 文庫
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また、これは誰でも思い当たる節があると思うのだが、理由はないけれど何となく好きな場所や、理由はないけれど惹かれる絵はないだろうか。多分それは時空を越えた記憶だ。
昨年フォーラムのメンバー何人かとマドリッド、イスタンブールに行った。マドリッドには直行便がないため、最初はヘルシンキ経由かロンドン経由で行く予定だったのだが、その中の1つの候補として上がったのがイスタンブール経由の便だった。これは、師匠の『オレの前世はトルコの商人か踊り子だった気がする』という一言で簡単に決まった(笑)。話を聞くと、以前からトルコは行きたかったのだそうだ。
私自身、イスタンブールは初めてだったが、何だか最初から懐かしい感じがした。モスクに入るとき靴を脱ぐのだが、入り口でビニール袋を渡してくれる。何だか日本のお寺に上がるような気がした。トルコはイスラム教の国だ。私達はイスラム教に対してあまりにも知識が乏しいが、キリスト教同様イスラム教にも輪廻転生の考えはない。
輪廻転生の考えがないイスラムの国で自分の前世を考えるのもなかなか面白いものだ。
最初にイスタンブールに降り立った時は夜8時を過ぎていた。トランジットのためのホテルに移動し、翌日の5時ロビーに集合という強行スケジュールである。お風呂に入って寝て、朝早く起きて、飛行機にのって出発、という感じで、異国情緒を楽しんでいるヒマはなかった。マドリッドでのセミナーを終え、バルセロナを経由して再度イスタンブール入りをしたが、今回はたっぷり2泊である。帰りの飛行機は夕方18時半の発なので、まるまる2日のんびりできる。
その時泊まったホテルは、16部屋程度のプチホテルである。日本語の得意なオーナーが、アンティーク家具を集めて整えたもので部屋の天井にはランプが煌めいていた。部屋に入っただけで「ここっていつの時代だ?」という感じである。なお、泊まったところはかの有名な地下宮殿の近くで、徒歩2分くらい、ブルーモスク、アヤソフィアも徒歩圏、グランバザールも徒歩圏という便利なところである。何だかこれだけでもタイムスリップしたみたいだった。
朝、まだ薄暗い時間に、コーランの放送で目が覚めた。朝日が昇る前の町にコーランが流れる。これを聞いて何だかますますタイムスリップしたような気になってくるのである。
外に出ている女性が滅多にいないのも、何だか不思議な感じだった。
飛行機にのって、時差があるところに行くのも、1つの時空を越えた経験かもしれない。
来月、再びマドリッドとイスタンブールを訪れる予定だが、どんなタイムスリップが待っているのか、楽しみである。
畠山裕美
来週はいよいよ「東京操体フォーラム in 京都」開催です
東京操体フォーラムin 京都2011は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛他
Sotai Forum inMadridは、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催致します。三浦寛他