(つづき)
実際にやってみたときに、どんなことを感じ、どんな風に考え、次に繋がっていくのか。
「実践」から生まれる「観察」の機会は、どんな些細なことでも、やってみると自分事としてじっくり向き合えるものだと思い出させてくれます。
土の中の豊かな生物圏やお腹のなかの腸内フローラに興味をいだいて、自分なりに観察を始めたのは、先日とある映画のなかで「実践者」であり「観察者」である数人の諸先輩方の姿を、観ることができたことがきっかけでした。
「グレートジャーニー」で馴染み深い関野吉晴さんが初監督を務めた、「うんこと死体の復権」という映画です。
私は思い返してみれば小さい頃に、不定期でテレビ放映する関野氏のグレートジャーニーをとても愉しみにしているこどもでした。なんだかよく分からないけど、世界を旅行しているんじゃなくて、旅している感じがとても好きだったんだと思います。大学で探検部に勢いで入ってしまったのも、もしかしたら、このこどもの頃の記憶が残っていたからかもしれません。
ちなみに私は、この映画の内容があまりにもよかったので、東中野のポレポレの回数券を衝動買いして、その外上演中の気になった映画も観る、に至りました。ポレポレは響く作品を上映してくれる貴重な場。本当にありがたいなと感じた次第。
興味のある方には、是非直にこの作品を味わってもらえたらと思います。
私は不思議なんですが、観ていてお腹が反応している感じがしました(きっと腸内の生き物たちが悦んでいたのではないかと妄想しました)。
自分自身の生活が自然に備わっている循環やながれのようなものから、どうも分断したところで行われているように感じ、そのことを自分なりにこれからどういう風に考えていこうか、と思っていたところにこの映画。
いまききたいことばがひとりひとりの人間の生き様から溢れ出しているのを感じながらみせてもらったのでした。
あぁ、人間も自然の循環のなかに居ていいんだと、
でももっと勉強しなきゃいけないんだと感じました。
監督の関野さんもそうですが、出演されている方々、みんな強烈なマイペースで自分のすることに取り組んでいるのです。
人間はもっと自然から直に勉強することがあるんじゃないですか、と
ひとりひとりに向けてみせてくれている作品だと感じます。