ワタシが操体を学び始めてからというもの、ビックリしたことがあります。
橋本敬三正師曰く「治すことまで関与するな」ですね。
正直な話、ワタシは東京操体フォーラムの実行委員に任命されるまで、
”症状疾患の対応”や”様々な治療法”以外の勉強は、あまり興味ありませんでしたから。
だからこそ、この言葉には、深い意味を感じてしまうのです。
つまり、治療法として操体を学んでいるだけではないのです。
操体を学んでいるということは、
まさに総合的な知識をもって繋がっていける、愉しみながら一生学んでいけるということなのですネ。
そして、ワタシも少しずつ「治療なんか下の下だ」という橋本敬三正師の言葉にあるような、
意味を知るべくして、興味の範囲も、改めて、物理学・生物学・解剖学・生理学・哲学・猫学?と様々に広がっています。
そして出会ったのが、”ルドルフ・シェーンハイマー”。
この方は、「生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である」と言っています。
これをワタシ、「食」と「息」の相関性における”空間の超えかた”じゃないか!!と感じたんです。
この説に至った彼の実験を簡単に説明すると・・・、
大人のネズミに同位元素(=アイソトープ)で色分けした餌を食べさせて体重や色の移動を観察した。
すると、消化吸収されて変化して細胞に取り込まれていくものと、
エネルギーになるものであろうという予測は崩れ去り、ネズミが餌を食べるやいなや一瞬にして色が散った。
要するに、ワタシ達が学校で習った消化吸収と異なった、吸収と排泄のルートがあるということなのです。
混乱してしまわないように付け足しておきますが、細胞レベルでの消化吸収はそれでいいんですが、
もっと微細な分子レベルでは、まるで風の流れになびく植物のように、海岸に打ち寄せる波のように、
降りしきる雨粒のように、”動的=ダイナミックに生命は変化をしている”ということなんですネ。
初めて知ったとき、こ・これは!と、たまげました。
そしてワタシ的に、東京操体フォーラムの三浦理事長の臨床『渦状波』を、皮膚との接触の意味を通して、
「からだに任せる」ことに抵抗がなくなって、介助しやすくなったのです。
(*説明しよう!*『渦状波』とは、”刺激”には決してならない皮膚の接触のことです)
・なぜ操体において、『刺激』ではないのか?
・なぜ橋本敬三正師は、皮膚を運動系に入れているのか?(橋本敬三著『万病を治す妙療法』農文協(p105)参照のこと)
・なぜ三浦理事長は、『快』と『皮膚』に『不可視』とますます更新されていくのか?
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そして、地球上の元素の量は”ほぼ一定”といわれていますから、
最もミクロなレベルにおいては・・・生物も無生物も、交流して繋がっているのが当然の成り立ちなのかもしれない。
もう本当にたまげるのは、橋本敬三正師の哲学思想ですね。
これは、宇宙の哲学であり、天然自然の『道』を説いているんですネ。
もうこれって、空間を超えていると感じませんか?
しかも、三浦寛理事長は鍼灸師・按摩マッサージ師・指圧師・柔道整復師・教員養成科も出ているのに、
学校で教わった知識だけに頼ることなく、
何よりも迷い無く信じ抜いていける「操体」を橋本敬三正師の意志を継ぎ、
自らの臨床で「道』を示し、私達に掴んでいることを惜しげもなく指導しています。
当然ですからはっきり言います。
操体は更新していいんです!それは「からだが治す」ゆえの学びなのです。
複雑なストレスの多い現代では、温故だけで「マ」に合わない。
間(マ)に合っていく、だからこそ知新はあるのです。
本当に『間にあっていればいい』臨床・学びは確かにあるのです。
ですから、最前線が売りの東京操体フォーラムは、開催のたび更新しています。
宣伝のようですが(笑)是非とも東京操体フォーラムin京都に参加してくださいネ〜。
そうすればウソかホントか、わかります。
温故だけでは・・・不思議かもしれません。
温故知新に適っていればこそ、当然、操体だけで臨床は可能なのです。
有り難いことです。ありがとうございます。
岡村郁生
*参考書籍:福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書
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追伸:龍の叱咤激励④
「本当の自分を知りたければ、からだを大切に扱うことだ。
やりたいことがあるのなら、その要求の半分は自分に、もう半分はからだに訊け。
常識に囚われすぎるな、迷惑がられたとしても大切なことはより通せ。
人は助けてくれない。もし助けてくれたと感じるのなら、その愛を学ぶことだ。
あきらめるな。そこから這い上がれ。とどまるな。そこから何かをつかんでいけ」
東京操体フォーラムin 京都2011は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛他Sotai Forum inMadridは、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催致します。三浦寛他