経験や知識がいくら増えても、
新しい謎は減りません。
理解の先に、
もっと大きな驚きが待っている。
これがホントの、「操体」です。
「からだ」で感覚したことを学びに活かす。
それこそ、「操体」を積み重ねた証です。
「からだ」に訊くことこそ、天晴れなのです。
「脳実質」は、晴れて透き通った状態で使う。
透きとおった空間と、「心」の芯が
重なる腔間になったとき、軸を介して
「心」は開き、天晴れ状態に繋がる、
そう考えます。
それでは、テーマを繋げるように、
「腔間」と「心」にも触れていきます。
西原克成先生の著書「内臓が生みだす心」という本があります。
書中にある内容は、米国で行われる
「心肺同時移植」手術を受けた方の性格が、
ドナーのものに置き換わる事実で始まります。
本質的には、心=脳ではないのかもしれない。
この事実を理由づけている一つの考察が、
「発生学」なのです。
つまり、
腸管とそこに付随する器官からなる腔腸類、
これこそ脊椎動物の祖先。
そこを埋めるように筋骨格系ができて、
全身をコントロールするために、脳実質は
できてきます。
ですから脳実質は、あくまで、
「コントローラー」であって、
そこに「心」そのものはありません。
故に、操体の想念もシンプルになればこそ、
アタマだけでは理解出来ないわけです。
(続く)